投資について学ぶ高校の野球部生徒が株式投資にチャレンジ? 「つみたてNISAって何?」 (3ページ目)

  • 鈴木雅光●構成 text by Suzuki Masamitsu
  • はまのゆか●絵 illustration by Hamano Yuka

【投資信託はたくさんの株式が入った箱】

奥野「本来、株式投資をするためには、やはり専門的な知識が必要なんだ。たとえば会計に関する知識は最低限必要だと思うよ。

 もちろん近い将来、君たちが大学に通いながら会計の専門学校で勉強して、あらためて株式に投資するのもいいかもしれないけれども、そこまで入り込むつもりがないならば、株式投資に必要な専門知識を持っているプロの投資家に運用を任せることもできる。それが投資信託なんだ。

 簡単に言うと、投資信託はたくさんの株式が入っている箱をイメージしてもらうといいかもしれない。そこには信越化学とかオリンパス、セブン&アイホールディングスといったような、さまざまな会社の株式が入っているんだ。その箱を、大勢の人が少額資金を出し合って維持している。そして、その箱に入っている株式が値上がりすれば、その投資信託にお金を出している人たちも、値上がり益を得られるという仕組みになっているんだ。

 もちろん、組み入れられている株式の株価が下がれば、損をすることもある。でも、投資信託にはたくさんの会社の株式が入っているから、どれかが大きく値下がりしても、他の会社の株価が値上がりしていれば、お互いに損益が打ち消されて、リスクを軽くすることができる。これが『分散投資効果』と呼ばれるものだね。

 さっきも言ったけど、投資信託には1000円くらいから買えるものもあるし、毎月の積立投資も可能だから、君たちのお小遣いで投資することもできる。将来、株式投資をするための勉強として、何か投資信託を買ってみるのもいいかもしれないね。投資信託は運用状況を定期的に公開しているから、本格的に株式投資をする時に向けて、どういう観点で投資先の会社を選んでいるのかなどを勉強できると思うよ」

由紀「つみたてNISAについても、もう少し教えてもらえますか」
鈴木「そういえば最近、新聞やテレビなんかで目にするワードだよね」

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