投資について学ぶ高校の野球部生徒が株式投資にチャレンジ? 「つみたてNISAって何?」

  • 鈴木雅光●構成 text by Suzuki Masamitsu
  • はまのゆか●絵 illustration by Hamano Yuka

この記事に関連する写真を見る奥野一成のマネー&スポーツ講座(20)~投資教育と株式投資

 集英高校の野球部顧問を務めながら、家庭科の授業で生徒たちに投資について教えている奥野一成先生から、経済に関するさまざまな話を聞いてきた3年生の野球部女子マネージャー・佐々木由紀と新入部員の野球小僧・鈴木一郎。前回は経済政策に日本銀行の政策変更と、高校生にとってはとりわけ難題のテーマとなった。

 とっつきにくい話になっても、由紀と鈴木が奥野先生の話に耳を傾けるのは、実際に教育の現場でこんなことも行なわれているからだ。野球の練習前のひととき、ふたりはこんな会話をしていた。

由紀「N高って知ってる?」
鈴木「知ってますよ。確か日本最大のネットの高校でしょ?」
由紀「そう。で、N高校には『投資部』というのがあって、部員は実際に株式投資をしているの」

 N/S高のホームページには、「投資部」について次のように紹介されている。

「投資部は、高校生の時期から株式投資に挑戦することで、社会や経済の仕組みを実践的に学ぶ部活です。部員は、特別顧問である村上世彰氏が創設した 一般財団法人村上財団 (以下、村上財団)や角川ドワンゴ学園から提供される運用資金を元手に、株式投資に挑戦します。村上世彰氏による特別講義のほか、優秀な部員は村上氏との個別面談や質問で投資の姿勢や考え方に対するアドバイスを受けることもできます」

 部員たちは実際に20万円を渡され、株式投資を実践しているという。「野球の次にお金が好き」「お金持ちになりたい」と公言する鈴木が飛びついた。

鈴木「ぼ、僕もやってみたい! 目標は『20万円を100万円に』! せ、先生を呼ばないと。奥野先生!」

奥野「N/S高の試みはなかなか面白いね。特にN高は、投資家の村上世彰氏から直接学べるから、高校生のみんなには結構刺激になるんじゃないかな。実際、N高で学んでいる高校生たちのなかには、起業家精神に溢れている人も大勢いるみたいだしね」

 そう言って奥野先生が会話に加わってきた。

鈴木「ア、アドバイス、よろしくお願いします!」

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