スポーツ飲料もスポーツ用品も...値上がりの原因と、そこから得られる人生の指針 (3ページ目)
日本人がiPhoneを買えない時代が来る?
奥野「そう。コスト高の日本でつくって海外に輸出しても、海外の店頭に並んだ時の値段が高くなるから売れなくなっちゃう。だから海外の生産拠点でつくって海外で販売する、あるいは日本国内に輸入して販売するという形になるんだけど、それだと円安が進んだ時、日本国内で販売される製品の値段がどんどん上がってしまう。
つまり日本の経済構造は大きく変わったんだ。そうであるにもかかわらず、ひと昔前の経済構造でものを語ろうとするから、話がおかしくなっちゃう。今の日本の経済構造からすれば、円高のほうが皆にとってハッピーになるはずなんだ。
だから円安は、おそらくこれからの日本にとって厳しいことになる。鈴木君や由紀さんがアンダーアーマーやナイキの製品を買おうとしても、きっと値段が上がってしまい、なかなか手が届かないものになってしまうかもしれないね」
由紀「えー。そうしたら私たちはこれからどうやって生きていけばいいんですか」
奥野「困っちゃうよね。皆が使っているiPhoneだって、どんどん値上がりしていくでしょう。何しろ、値上げしたからといって『使わない』という選択肢がないのだから、強気で値段を上げられるんだよ。
で、実はここにみんなが生きていくうえでのヒントがあるというわけ。人と会社の関係に置き換えてみよう。つまり、『お給料を上げてくれないなら、もっと高い給料で働かせてくれる会社に行くのでいいですよ』と言える人になるのが、これからの時代を乗りきっていくのに必要なんだ。
そのためには、どこにポジショニングを取るのかということが問われてくる。
日本人がこれからどんどん貧しくなるってことを考えれば、恐らく外国人を相手に商売するのがいいし、自分のスキルの競争優位を考えたら、大勢の人が集まっている東京よりも、地方で商売をしたほうが競争優位は高まるはず。生活コストも安いしね。
だから、まずは東京にいなくてもできる仕事を考えよう。たとえば京都に住んで、外国人向けのプログラミングを書くなんていう仕事は、結構、儲かるかもしれない。
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