田中美保が語る「アスリートの妻」と「一児の母」。稲本選手は「父親として100点」 (2ページ目)

  • text by Sportiva
  • 猪岐沙矢佳●撮影 photo by Inomata Sayaka

稲本潤一選手の移籍も楽しみに捉えていたという稲本潤一選手の移籍も楽しみに捉えていたというこの記事に関連する写真を見る――食事や体重の管理について気をつけていることはありますか?

 夫は私より美意識が高いので、血液検査を受けたり、自分にあったサプリも考えて買っています。あとは『グリーンスプーン』という冷凍の無添加スープとかスムージーを毎月定期購入していて、体にいいものはストックするようにしています。

 夫は朝と夜は体重を計っていて、それによって何を食べようかなと考えて決めていますよ。それでストレスなく好きなものを食べているみたいです。「太った」と言うから何キロか聞くと「1キロ」とかいうので、「1キロって水分だから!」って(笑)。お酒もあまり好きじゃないので、シーズン中はほぼ飲まなくて、飲むのはケガをしていないオフシーズンぐらいですね。

――2015年にコンサドーレ札幌に移籍した時の話を聞かせてください。

 移籍の話をもらった時に私もその場にいて、候補がいくつかある中で「私はどこでもいいよ」って言いました。私の人生で夫と結婚していなかったら、絶対に東京以外に住むことはなかったので、長い人生を考えた時に永住じゃないとすれば、どこでもいいかなって思いました。

――札幌に決めたと聞いた時は最初に何を考えましたか?

「おいしいものが食べられる」だった気がします(笑)。

――実際に4年間札幌に住んでみていかがでしたか?

 最初の2年はすごく楽しかったです。10代のころから休みなく働いてきたので、夫が移籍したことで仕事がセーブできるようになりました。こんなに休むというのが人生で初めての経験だったので、毎日楽しくて。明日を気にせずお酒を飲めるってすごいって思っていました(笑)。  

 新しい土地でいろんなものを発見して楽しかったです。コンサドーレの選手の奥さんたちも仲良くしてくれたんですが、皆さんお子さんがいてお忙しいので、毎日というわけにもいかず、こんなに私は時間があるのに遊ぶ人がいないっていうジレンマがありました。「この状況で東京の友達が北海道にいてくれたら最高なのに」って思っていましたね。

 最後の2年は少し寂しくなってしまって、上京してきた人の気持ちがわかるというか、生まれ育ったところに戻りたい気持ちってこういうことなんだなってわかりました。あとは、ヒマすぎるのは性に合わないってことと、忙しいほうが自分は好きなんだと再確認しました。

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