『キャプテン翼』が連載開始から40年。鷲見玲奈が高橋陽一に聞く作品秘話 (5ページ目)

  • 伊藤 亮●文 text by Ito Ryou
  • 細野晋司●撮影 photo by Hosono Shinji

鷲見 それはすごく見てみたいです。翼くんは、ゆくゆくはやはり監督になるのでしょうか。夢はどこまでも膨らみます。

高橋 話の流れとしてはそうなっていくのかもしれません。ただ、実際にマンガを描くのはものすごく時間がかかるので。翼が監督になる頃まで僕の体力があるかどうか(笑)。そこまでは描けないかもしれません。

鷲見 そうですよね。逆に40年も描き続けられている先生が心配です。これだけ長く描く秘訣として、マンガを連載していく中でのルーティンなどはありますか。

高橋 僕の場合はスポーツマンガを描いていて、激しい闘いやキャラクターの「負けない」という強い気持ちを描かなければなりません。なので、できるだけ自分の体が疲れていない時に描くようにしています。少し寝不足の時に重要な作業はせず、しっかり寝てコンディションを整えてから原稿用紙と向き合うようにしています。まずは身体を整えてから、ということは心がけています。

鷲見 まさにアスリートですね。先生自身は様々なスポーツをされていますよね。そういえば、『MEMORIES』の中で、翼くんが頑なに野球を拒んでいるシーンがありました。あのシーンは印象的でした。

高橋 僕は、もともと野球少年だったんですけどね(笑)。

鷲見 最近ではフットゴルフやパデルをされていると聞きました。フットゴルフは、先生が監修されたコースで私もプレーしましたが、パデルとはどのようなスポーツなのですか。

高橋 スペインではとても人気のあるスポーツです。テニスとスカッシュを合わせたようなイメージで、壁で囲まれたコートの中でテニスをするスポーツと言ったらよいでしょうか。

鷲見 先ほどの話にも関係してきますが、パデルをしている最中にマンガに取り入れる技など、インスピレーションが湧いてきたりすることはあるのですか。

高橋 パデルではありませんかね。ですが、どうやって相手を崩すか戦術を組み立てたりと、動きながらいろいろと考えなければいけないので。そういう意味では頭を使っているかもしれません。

(つづく)

Profile
高橋陽一(たかはし・よういち)
1960年7月28日生まれ。東京都出身。
1981年から連載を開始した『キャプテン翼』が
大ブームとなり、現在のJリーグなどの
サッカー人気に多大な影響を及ぼす。
現在も『キャプテン翼マガジン』(集英社)で
精力的に執筆中。次回は2月4日に発売予定。

鷲見玲奈(すみ・れいな)
1990年5月12日生まれ、岐阜県出身。
趣味:サッカー、動物と触れ合うこと、愛鳥を愛でる
特技:ハンドスプリング、詩吟
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鬼頭恵美●ヘア&メイク hair&make-up by Kitou emi (鷲見さん)
池上純子●スイタリング styling by Ikegami Junko(鷲見さん)

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