高橋陽一に鷲見玲奈が質問。東京五輪に出場させたい『キャプテン翼』の3人は?
鷲見玲奈連載:『Talk Garden』 第6回
ゲスト:高橋陽一(漫画家)
第5回(対談前編)はこちら>>
鷲見玲奈さんの連載企画。第6回は、前回に引き続き、今年で連載開始から40年を迎えた『キャプテン翼』のマンガ家・高橋陽一先生との対談。今回は、日本サッカー界のことなどを中心に会話が広がった。
日本のサッカー界などについて語った高橋陽一先生と鷲見玲奈さん
鷲見 実際のスポーツの話(前回の最後)が出てきたところで、サッカーのお話も聞かせてください。2020年の大きなニュースとして、アルゼンチンのディエゴ・マラドーナさんが亡くなられました。
高橋 僕と同じ年齢なんです。僕はもともと1978年のワールドカップアルゼンチン大会を見たことがきっかけでサッカーに興味を持ち、サッカーマンガを描くようになりました。マラドーナはその時、まだ代表には入っていませんでしたが、1979年にワールドユースで来日した時からすごく注目されていて。その頃から追っかけていた選手だったので、サッカーに興味を持ち始めた頃からいっしょに育ってきたというか。僕は見ているだけでしたが、彼の成長を眺めながら僕もサッカーを好きになっていきました。同じ時代を生きてきた最高の選手でしたね。
鷲見 全世界のサッカーに影響を与えた偉大な選手でした。先生も少なからず影響を受けていたのですね。
高橋 『キャプテン翼』に出てくるアルゼンチンのファン・ディアスというキャラクターは、マラドーナがモデルでした。彼みたいなプレースタイルで天才のキャラクターを出したかったんです。
鷲見 実在する選手からインスピレーションを受けることもあるのですね。他に影響を受けた選手はどなたかいらっしゃいますか。
高橋 『キャプテン翼』を描き始めた頃、日本はJリーグのようなプロリーグなどない時代でした。そんな中、奥寺康彦さんがドイツのブンデスリーガで活躍されていました。自国にプロリーグのない日本人が、海外の一流どころでプレーしている姿にはすごく影響を受けましたね。日本人でも世界で通用する、ということは奥寺さんが証明してくれたと思います。
鷲見 『キャプテン翼』の物語の中にも奥寺さんは登場されますよね。実在する人物の名前が出てくることはあっても、ストーリーに直接絡んでくるのは珍しいことでした。それほど先生にとって影響の大きい方だったんですね。
高橋 当時は勇気をもらっていましたね。奥寺さんのような選手が11人そろえば、日本もワールドカップに出られるのかな、と希望を持ちながら見ていました。その後、中田英寿選手がセリエAで活躍して、日本人の実力を世界に示してくれた。その時も日本人として誇らしかったです。
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