飛込・馬淵優佳が第3の人生に踏み出す決意「競技人生で得た経験を持って強く生きていきたい」 (2ページ目)

  • text by Sportiva

――飛込を通して馬淵さんはどんなことを学びましたか。

 飛込を通して、自分と向き合う心が強くなりました。飛込は自分との闘いで、メンタルコントロールがすごく必要。自分の心が乱れてしまうと演技に出てしまいますから。不安は自分で作り出してしまっているので、それをどうコントロールしていくかが大事です。人によってその不安への対処法は違っていて、とにかく練習に励む人もいますし、自分なりのルーティンを見つけ出す人もいます。

 飛込は高いところから水に飛び込むので、当然怖さがあります。新種目にもどんどん挑戦していかなくてはいけないので、怖くても飛ばなくてはいけないんですが、新種目が上手に飛べるようになるとうれしいですし、開放感があります。ただその前に怖さを克服しなくてはいけません。一回苦しみを乗り越える必要があるんです。その意味では精神力や忍耐力が鍛えられますね。

【父の元で指導者の道へ】

――さきほど今後は指導を行なっていくということでしたが、具体的なところは決まっていますか。

 一度目の引退の後に指導者資格を取得していますので、今後は父(馬淵崇英氏)に学びながら指導者を目指していく予定にしています。

――どんな指導者を目指したいですか。

 選手たちは、競技だけで人生が終わるわけではありません。その後も人生は続きますし、そこでは自分で考え、道を拓いていかなければなりません。だから競技においても、指示に従うだけの選手にならないように指導する必要があると思っています。答えを与えずに自分で考えることが大切ですし、考える力を身につけないと強くなれないとも思っています。競技力向上にプラスして、そこも育てていきたいなと思っています。

――お父様はとても厳しいコーチでしたよね。

 父は競技力向上を全面に押し出した指導者です。そこに関しては第一線で活躍してきましたし、知識もありますので、どう教えたらいいのかはすごく頼りにしています。実際に指導をする時には、自分なりに考えて自分の方法も模索していきたいと思っています。ただ競技が競技だけに無理にでもひと押ししないといけない時もあると思うんです。今後コーチとしてやっていくなかで、そこがまずぶちあたる壁かなと思っています。

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