イケメンスイマーの中身は超骨太。中村克「東京で歴史を変えてやる」 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO


 メダル獲得へ向けて、大会後に中村はさっそく行動に移した。コーチ変更の決断を下したのだ。

「僕よりひとつ歳上の、若いコーチについてもらうことにしました。自分たちで情報を入れて、メニューを作るというやり方に変えたんです」

 通常、競泳は経験豊富なコーチに師事するケースがほとんどだ。しかし、中村はこれまでのやり方に限界を感じていたという。

 競泳のなかでもとりわけ短距離自由形は、世界に後れを取っている種目だ。果たして、今までのやり方で太刀打ちできるのか......。そう考えた時、自分たちの方法論でこの4年間を過ごしていこうと決めたのだ。

 その決断に至ったのには、ひとつのきっかけがあった。

「大学の時に、この練習で合っているのかなと感じたことがあって。200メートルは速くなったんですけど、本職の50や100が遅くなったんです。ああ、これは短距離向きの練習ではなかったんだなと。

 そもそも、日本では短距離の自由形が弱いから、目を向けない人が多かったのかもしれない。じゃあ、勝つためにはどういう練習をしていかないといけないのか。自分の経験や知識をもとに、独自の練習を考えていく必要があったんです」

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