競泳の日本選手権で喜びなき優勝が続出。
だが、若手の台頭には期待 (3ページ目)
2日目女子200m個人メドレーでは大橋悠依が2分09秒27で派遣標準記録を突破し3連覇、2着に入った大本里佳も派遣標準記録を突破し代表入りを決めた。
レース前から日本記録の更新を目標としていた大橋悠依はレース後涙する場面も見られた。レース後大橋は、この日本選手権に向けて、以前ほどワクワク感が出てこないと語っていた。
自身のレベルが上がり、「代表入りはほぼ確実」という状況の中で、順調にトレーニングを消化してきたという大橋だが、モチベーションの面では国内に自身を脅かす存在がいないという意味で緊迫感を保つのは難しかったのかもしれない。
今、私もメディア側に立って選手には常に好記録、好成績を期待してしまうが、選手時代、私自身にも、「代表に入るのは問題ない」という時期があって、その時の日本選手権は通過点としか思えなかったし、メディアの方々に「日本記録更新の可能性は」などと聞かれ、口では頑張りますと答えていたが、内心「こっちは夏の国際大会に向けて調整しているんだ」と思っていた記憶がある。
また、大橋は平泳ぎに関して、上半身にパワーがついて、テンポを上げれるようになったものの、泳ぎの引き出しの幅が増えた分、レースに適切な泳ぎが分からなくなった、と話していた。選手は何かが成長、進化する度に適切なテンポ、ストローク、レース展開を見つけていかなければならないのだが、それはレースを重ねていくことでしか解消されない。
これは大橋がバイクトレーニングなども取り入れ、強化してきた下半身にも同じことが言える。今後大橋がレースを重ねていくごとに、今年の自分の身体の最適な泳ぎ、レースプランが見えてくることだろう。今大会残りの種目200mバタフライと400m個人メドレーもその指標となる。
今シーズン好調を維持してきた大本里佳は笑顔の代表決定、そして自己ベスト更新のレースだった。持ち前のスプリント力と前半から攻める積極的なレースに磨きがかかってきており、今シーズン100m自由形でも好タイムを出している。100m自由形でも4×100mフリーリレーの代表権を狙う。
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