水中最速のマーメイド女子大生。
フィンスイミング日本代表・藤巻紗月 (3ページ目)
ところが、2015年以降は切磋琢磨して力をつけてきたライバルの選手に勝てず、レースでは悔しい思いもたくさんしてきた。また、2015年7月の世界選手権を最後にそれまで指導を仰いでいたコーチが辞めたため、現在はチームメイトと練習をするなかで、自分自身で試行錯誤をしている。
フィンスイミングの練習環境は決して良好とはいえない。フィンやシュノーケルなど道具を使い、高いスピードが出る競技であるがゆえに使用できるプールや時間帯が限られてしまう。藤巻のようなトップレベルの選手であっても例外ではない。
「今は1週間に4〜5日、1日に2時間ほど泳いでいます。本当はもっと泳ぎたい」
プールで足りない練習時間を、ボルダリングやジムでのトレーニングなど他の運動をして身体を使うことで補っているという。5月の日本選手権は、そのような厳しい状況のなかでつかんだ好成績だけに、その喜びもひとしおだった。
「今年はやっと日本記録を奪還できました。自分が強くなっていることを実感できた大会になりました。2月に行った韓国遠征で泳ぎのフォームを変えたり、他の競技者と練習したり、自分でいろんなことを考え、試してきた成果だと思います」
日本選手権の結果を受けて、藤巻はフィンスイミング世界選手権の50mSFと100×4SFリレーで日本代表メンバーに選出された。
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