日本競泳陣の好敵手。21歳の金メダリスト、チャド・ル・クロスの野望 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi

 世界大会をひとつずつ勝ち上がっていくことで、記録も見えてくると、ル・クロスは穏やかな表情で話す。

 彼にインタビューをしたのはワールドカップ東京大会終了の翌日。彼はこの日いくつかのインタビュー取材をこなすと、夕方には次の試合の地・北京へ向けて旅立った。

「今回の滞在では競技と取材で観光する時間があまりなかったので、2020年の東京五輪に必ず出場して、そのときに、オリンピックはもちろん、東京という街を楽しみたいと思います(笑)」

 そう言って笑顔を見せた若き金メダリストは、2016年のリオデジャネイロ五輪はもちろん、東京五輪出場もすでに意識している。日本期待のマルチスイマー・萩野公介や瀬戸大也らとの熾烈な戦いが今から楽しみだ。

photo by Yamamoto Raitaphoto by Yamamoto RaitaProfile
チャド・ル・クロス
Chad Le Clos
1992年4月12日 南アフリカ生まれ。
2012年ロンドン五輪200mバタフライ金メダリスト。100mバタフライは銀メダルを獲得した。今年、2013年の世界選手権では、バタフライ100mと200mで2冠。
今シーズンは個人メドレーでのメダル獲得も視野に入れたトレーニングを積んでおり、同世代の日本人選手、萩野公介、瀬戸大也らの最大のライバル。
また、ル・クロスは自身の憧れの選手、マイケル・フェルプスと同じく、オリンピック公式計時ブランドであるオメガのアンバサダーを務めている。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る