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【箱根駅伝】シード校を脅かす予選会組は? 大東文化大、専修大、東海大に見えた「勝算」 (3ページ目)

  • 佐藤俊●取材・文 text by Shun Sato

【「スピードの東海」復活へ】

 東海大は、安定した走りで3位通過を果たした。チームは「4-4-4」のフォーメーションを組み、第1集団は永本脩(4年)、南坂柚汰(4年)、中野純平(3年)、平井璃空(3年)の4人、第2集団と第3集団も4人ずつで走った。西出仁明監督によると、タイム、順位ともにほぼ設定どおりだったという。

「各グループのタイム設定があるので、その流れで走るように話をしていました。5㎞の入りで第3グループがすごく遅く、そのペースにハマってしまうと上げたくても上げられなくなるので、ちょっと怖いなって思っていたのですが、最終的に頑張って、狙いどおりにゴールできたのでよかったと思います」

 第1集団で走った中野は「悔しいですね」と表情を曇らせた。永本、南坂ら普段から一緒に練習するメンバーとリラックスして走れたものの、チーム内2番手、全体12位という結果には不満が残った。

「攻めた走りができたと思うんですけど、チーム内トップを取れず、永本さんに負けたので90点ぐらいです。チームは、昨年に比べると力がついてきたと思います。それは危機感が影響しているかなと思います。これまで予選会に出たことがない人が今回出たんですけど、そういう人に主力になっていこうという気持ちが芽生えて、積極的に走れるようになりました。そういう気持ちの面がすごく大きく、一番変わったところです」

 西出監督は今季、ウエイトトレーニングを積極的に取り入れ、乳酸値などのデータを活用して練習の消化率を高めるなど、「スピードの東海」の復活に向けた取り組みを進めてきた。

「ウエイトはトレーニングラボの牧野(講平)さんにいろんなことを教わって、学生はスピードが出せるようになったと実感しています。乳酸の数値を測っているのは、これまでよかれと思ってやったことが、ダメージが強すぎて故障につながり、練習ができなくなっていたからです。そこで乳酸値をコントロールすることで、無理せず継続して練習ができるようになりました。それでパフォーマンスが上がりましたね」

 こうした丁寧な積み重ねが、全日本大学駅伝の関東地区選考会2位、箱根予選会3位という結果に結びついたと言えよう。現状、東海大のチームとしての完成度は、どの程度なのだろうか。

「今回3番以内に入りたいと思っていて、しっかりと3番に入れた。今のところ自分たちがこれぐらいできたらいいなっていうレベルではやれているので、70%、80%ぐらいの完成度があると思います。箱根ではシード権を獲得して、来年の春から1500mや5000mで勝負できる、『スピードの東海』をもう1回つくりたいと思っています」

 今季の東海大は、力のある4年生を中心に、3年生も主力としてチームを支えている。さらに上級生以外にも松山唯人(2年)、松山優太(2年)、鷲野遥都(2年)が力をつけ、選手層も厚くなってきた。必要な取り組みを着実に結果へつなげてきた東海大だけに、さらなる上積みがあれば、シード権獲得も現実的な目標として見えてくる。

(了)

著者プロフィール

  • 佐藤俊

    佐藤俊 (さとう・しゅん)

    1963年北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て1993年にフリーランスに転向。現在は陸上(駅伝)、サッカー、卓球などさまざまなスポーツや、伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「箱根0区を駆ける者たち」(幻冬舎)、「箱根奪取」(集英社)、「箱根5区」(徳間書店)など著書多数。近著に「箱根2区」(徳間書店)。

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