【大学駅伝】出雲駅伝で激突したスーパールーキーたち 早稲田大の"令和の三羽ガラス"らが快走 (3ページ目)
【鳥取城北高の元チームメイトは明暗】
創価大の4区には村上遵世が起用された。村上は鳥取城北高出身。2区で区間賞を獲得した本田とは高校時代のチームメイトだ。
村上は5位でタスキを受けると、前方の順天堂大を追った。しかし、背後から猛追してきた國學院大・野中恒亨(4年)についていけず、区間新記録で快走した早大・新妻にも大きく差をつけられた。
「トップレベルの選手との力の差を感じました。同じ1年生に負けた。そこはすごく悔しいです」
それでも終盤は粘り、設定タイムを上回る走りで5位を守った。自己採点は「70点」。大学デビュー戦で一定の手応えをつかんだ一方、同級生たちの区間賞ラッシュに刺激を受けた。
「これから(全日本大学駅伝、箱根駅伝と)距離が長くなるので、長い距離への適性をつけて、もっと勝負していけるようにしたいです。桜二郎には長い距離では負けたくありません」
もうひとり、悔しいデビュー戦となったのが中大の栗村凌だ。学法石川高出身で、早大の増子とは高校時代のチームメイト。今季は、増子が5月に5000mで13分20秒35のU20日本記録を樹立したが、栗村も同じレースでU20日本歴代2位の13分21秒99をマークしている。U20世界選手権はともに5000m代表に選出され、栗村は8位入賞を果たした(増子は体調不良で欠場)。
中大は5区終了時点で3位。しかし、アンカーに抜擢された栗村は後続の猛追を受け、最終順位は5位になった。
「夏はしっかり距離を踏んで、疲労は抜けたと思っていたんですけど、後半の動きが全然よくなかった。まだ疲労が抜けていないのかなと感じました」
区間7位に終わった自分の走りを悔やむ栗村だったが、意識するライバルについて尋ねると、こう即答した。
「早稲田の1年生全員をライバル視しています」
本田、新妻に加え、高校時代の仲間である増子もいる。
「1年生で直接対決するとなったら、勝てるようにしっかり準備したいと思います」
早大の本田と新妻、駒大の鈴木は最高のデビューを飾った。一方、創価大の菅野と村上、中大の栗村は学生駅伝の厳しさを知った。しかし、大学での駅伝生活は始まったばかりだ。出雲駅伝の区間距離は最長でも10.2km。全日本大学駅伝、箱根駅伝では、より長い距離への対応力が求められる。
高校時代のチームメイトがライバルとして競い合い、時には同じ大学の仲間として刺激し合う。強力ルーキーたちの争いは、これからさらに熱を帯びていきそうだ。
著者プロフィール
酒井政人 (さかい・まさと)
1977年生まれ、愛知県出身。東農大1年時に出雲駅伝5区、箱根駅伝10区出場。大学卒業後からフリーランスのスポーツライターとして活動。現在は様々なメディアに執筆している。著書に『箱根駅伝は誰のものか』『ナイキシューズ革命 〝厚底〟が世界にかけた魔法』など。
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