検索

【箱根駅伝2026】「5強」崩し期待の"たたき上げ軍団"創価大、榎木和貴監督の育成、強化へのこだわり (2ページ目)

  • 佐藤俊●取材・文 text by Sato Shun

【来年は5000m13分台の高校生が入学予定】

――チームづくりの根幹となるのがリクルートですが、監督は高校生のどういうところを見ていますか。

「走る際の動きはもちろん、レースで積極的に前に出て引っ張るタイプなのか、集団の中にいて最後に勝つことに執着するタイプなのかなど、レースの組み立てを見ます。その後、話をして、4年間、学業と競技を両立できる子なのかを確認します。競技力だけではなく、人間性が非常に大事ですので、そこはしっかり見極めたい。性格にクセがあっても、"コントロールできるわがまま"であれば、個性、強いこだわりとして受け入れられるので問題ありません。でも、"自己中心的なわがまま"の場合は難しいと判断しています」

――「いいな」と思う選手へのアプローチは、早い段階からしていくのですか。

「まだ記録が出る前の段階の1年生でも、いい走りをしている選手がいると聞けば、積極的にアプローチしていきます。上級生になって記録が出てくると、他大学にスカウティングされてしまいますし、その結果、何度も悔しい思いをしてきました。昨年は"最後の二択"でことごとくお断りされて5連敗していたんです(苦笑)。

 でも、今年の高校3年生に関しては、すべて最後の最後でウチを選んでくれて、(高校トップレベルの目安となる5000m13分台の選手が初めて、しかも5名入ることになりました」

――5連敗からの5連勝、何があったのでしょう。

「やはり、1年生のうちから根気強く通っていたことと、環境のよさを理解してくれたのでしょう。実際に寮や練習を見に来てもらったのですが、寮の設備をはじめ、チームの明るい雰囲気や先輩後輩の上下関係がそこまで厳しくなく、基本的にみんな平等という環境に触れて決めたという子が多かったです。

 あとは、OBの葛西(潤)(現・旭化成)が昨年のパリ五輪10000mに日本代表として出場したことが非常に大きいです。上のレベルを目指している高校生は『日本代表になりたい』『マラソンで日本記録を出したい』という目標を持っているので、創価大の卒業生からオリンピアンが出たのは非常にインパクトがありました。

 葛西自身は高校時代に13分台で走った選手ではないんですけど、創価大で強くなったとプレゼンできますし、それを聞けば、高校生も安心して飛び込んできてくれるのかなと」

――創価大と創価学会の関係について関心を持つ高校生や保護者もいるかと思いますが、リクルート活動に影響していますか。

「創価大では、一般学生の入学に際して本人の宗教を確認することはなく、宗教教育も行なっていません。駅伝部においても同様に信仰の有無を問うことはありません。駅伝部で言えば、学会員は1割くらいだと思いますし、そもそも学会員である必要もありません。

 私自身も監督就任のオファーをもらった際に、学会員にならないといけないのかという確認をしたのですが、『そういうことはありません。駅伝の強化でやりたいことをやってください』と言われましたし、実際にストレスなくやれています。また、熱心に応援をいただけるのもありがたいことです。

 保護者のなかには理解していただけず、お断りされることもありますが、われわれとしては、活動方針や実績を丁寧に説明することで、理解を得られるよう努めています」

2 / 3

キーワード

このページのトップに戻る