【駅伝】ニューイヤー出場権奪取なるか 神野大地"監督"率いるMABPが東日本実業団駅伝に挑む「可能性は50%です」 (2ページ目)
【3回の夏合宿で充実した時間を過ごせた】
「どうしたらチームとして1分、1秒を縮められるかを日々考えている」と語る photo by Murakami Shogo
9月下旬の3次合宿は再び菅平で実施し、さらにこの合宿の5日後に開催される世田谷陸上記録会への出場を決めた。ただし、合宿は記録会に向けた調整ではなく、あくまで東日本実業団駅伝に向けての強化の場だと、選手には伝えた。
「1週間の走行距離は、3つの合宿のなかでここが一番多かったです。これは8月からの積み重ねがあってたどり着いたものです。無理して距離を稼ぐというよりも、淡々とこなし、かつ質の高い練習ができました。この両輪がうまくかみ合わさって、選手がいい状態になりました。夏からの3回の合宿では、正直、これ以上ないくらいチームとして充実した時間を過ごせたと思います」
世田谷陸上記録会では、10000mで木付が28分21秒06、中川が28分49秒38、山平怜生が28分34秒95と、それぞれ自己ベストを更新。5000mでは栗原が13分51秒23の自己ベストをマークした。夏のホクレンでなかなか結果を出せなかった選手たちがしっかりと結果を出した。神野は大きな手応えをつかむとともに、選手の努力を称えた。
「木付は、正直、僕の想定を上回る走りでした。練習でも強さを発揮していたので、自己ベストが出る予感はあったんですが、彼の走りは大きかったですね。チームの中間層から、チームの順位を押し上げる選手がひとり追加された感じです。山平は、本人が狙っていたタイムはもう少し上だったので悔しそうでしたが、それでも自己ベストを出せているので、ベースが上がっていることは証明できたと思います」
そして、神野が一番の成長を感じたのは、中川と栗原だという。
「中川は、この夏、一番距離を走って、体重も4kg減りました。國學院大時代、箱根(駅伝)直前(12月31日)にメンバーを外れた悔しい思いをずっと抱えていて、駅伝でリベンジしたいとMABPに入ってきた選手で、その覚悟を感じる夏でした。
栗原は、1500mがメインですが、MABPでは駅伝を走ることが求められることを理解し、取り組んでいます。(1500mだけでなく)駅伝でも結果を出そうというマインドです。世田谷では5000mを走りましたが、10000mの練習もみんなとやっているので、東日本の4区から6区の8.2kmという距離にも不安はないです。それに、彼はチームスポーツの野球をやっていた経験があるので、チームの士気を高める必要なピースになっています(笑)」
一方で、板垣と外国人選手には、少し物足りなさを感じた。
「板垣は、今チームで一番下ですが、そういう選手が自己ベストを出すような走りをしてくれると、チームのレベルが上がるし、強くなるんです。そういうところを求めていたんですけど、現状は厳しい。でも、(メンバーの少ないMABPは)日本人選手にケガ人が出たら走らないといけなくなるので、その気持ちを持ってほしいと伝えています。
外国人の(ムモ・)ジョセフ(・ムスワンテイ)は、練習はできているけど、ラストに課題があるので、そこを改善できるかどうか。(チェルイヨット・)フェスタス(・キプロノ)は、夏に1km3分(ペース)でも走れなくなってしまって、血液検査を受けたら、重度の貧血でした。今はだいぶよくなって状態を上げてきています。2区(8.2km)で区間15番くらいを想定していたんですけど、今は区間ひと桁も狙えるくらいにいい感じです」
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