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日本選手権10000m初制覇の鈴木芽吹(トヨタ自動車)を筆頭に駒大・大八木総監督主宰のGgoatメンバーが熊本で躍動! (2ページ目)

  • 酒井政人●取材・文 text by Sakai Masato

【金栗記念でGgoatのメンバーたちが好走】

800mでの世界陸上出場を目指す落合晃は駒大でのデビュー戦を1500mの自己ベストで飾った photo by Nishimura Naoki/AFLO800mでの世界陸上出場を目指す落合晃は駒大でのデビュー戦を1500mの自己ベストで飾った photo by Nishimura Naoki/AFLO

 鈴木は5000mでも東京世界陸上を目指しているが、同じく"世界"を目指すGgoatのメンバーたちが同日に行なわれた金栗記念選抜中長距離大会で存在感を発揮した。

 まずは800m日本記録保持者の落合晃(駒大1年)だ。グランプリ1500mで大学デビューを果たし、自己ベストとなる3分44秒18をマークした。

 アジア選手権の代表選考会になっていたグランプリ5000m3組には、先に鈴木がコメントで触れた3選手が出場。1年1カ月ぶりのトラックレースになった佐藤が13分16秒29で2着(全体5位)、実業団デビューとなった篠原が13分25秒30で4着(全体18位)、復活を期す田澤が13分34秒12の9着(全体28位)に入った。

 優勝は残り150mで佐藤を逆転した森凪也(Honda)で、日本歴代10位の13分15秒07をマークしている。

 佐藤は積極レースを展開してアジア選手権代表が有力となったが、本人は納得していなかった。

「3000mからペースメーカーの前に出て、ある程度は上げられたんですけど、負けては意味がありません。昨年は『The TEN』(米国西海岸で春に行なわれる10000mレース)が終わってから一回もトラックレースに出られなくて、本当に悔しい思いをしました。今季は最上級生になったので、結果で示していきたい。次は日本記録を目標に臨みたいと思います」

 一方、5000mに出場したなかでチーム最下位となった田澤は、充実の表情で汗を拭った。

「昨季はケガもあり、コンディションがよくないままシーズンを過ごしました。今年も2月までは練習が全然積めていなくて、アルバカーキ合宿でやっと圭汰たちにつけるかつけないかくらいの練習がやれたんです。今回は勝負というよりも、レース感覚をつかむために出場しました。その目的は達成できたかなと思います」

 10000mで世界陸上に2度出場している田澤だが、「26分台」を目指すために、今季は5000mで「12分台」を視野にスピードを磨いていく予定だ。

 Ggoatのメンバーを指導している大八木監督は、教え子たちの活躍をこう評価した。

「芽吹は同じ練習をしていても、昨年より質の高いものがやれていました。(学生時代の疲労骨折など)あの大ケガから、ここまで成長して、本当に感無量です。

 圭汰は3000mから自分でいきましたし、本当に成長したなと感じましたね。常に日本記録を狙うつもりでいると思いますし、5月3日のダイヤモンドリーグ上海大会に出場する予定もあるので楽しみです。

 田澤はアルバカーキでいい練習をやっていたんですけど、目一杯だったので疲労がまだ取れていない部分がありました。これから上がってくるでしょう。

 落合に関しては、1500mは初めてに近い感じでしたし、1000m以降に我慢ができていない。環境にもまだまだ慣れてない部分がありますが、これからスピードを磨いて専門種目の800mに持っていきたいと思っています」

 今年9月には東京で世界陸上が開催される。落合は800mの参加標準記録(1分44秒50)まで0秒30差。アジア選手権代表が濃厚になった鈴木と佐藤だけでなく、田澤と篠原も今後のレースでポイントを上げていければ出場のチャンスは十分にある。

 OB含め駒大のエリート集団であるGgoatが何人の日本代表を送り込むのか。学生三大駅伝で「29」のタイトルをもたらした名将・大八木監督の手腕に注目したい。

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