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東京2025世界陸上スペシャルアンバサダーの織田裕二「世界陸上のおかけで人を素直に褒められるようになった」

  • 栗原正夫●取材・文 text by Kurihara Masao
  • ヤナガワゴーッ!●撮影 photo by Yanagawa Go!

織田裕二さんインタビュー

「僕にとっては二度と見られないであろう東京大会を満喫したい」と話す織田裕二さん「僕にとっては二度と見られないであろう東京大会を満喫したい」と話す織田裕二さん

【最初は僕も「なんで俺?」と思った】

 その深い陸上愛は変わらない。

 
 今年9月、日本では18年ぶり、東京では34年ぶりとなる世界陸上(東京2025世界陸上)が開催される。同大会のスペシャルアンバサダーを務める俳優の織田裕二さんは、注目選手をこう語る。

「北口榛花選手(女子やり投げ)、サニブラウン アブデルハキーム選手(男子短距離)、橋岡優輝選手(男子走り幅跳び)、田中希実選手(女子中長距離)など日本人選手に期待しているのは皆さんと一緒。女子100mハードルにも強い日本人選手が3、4人いて、メダルに絡めるかも、と夢が膨らみます。

 男子棒高跳びの世界記録保持者で、パリ五輪で連覇を果たしたアルマンド・デュプランティス選手(スウェーデン)は、何十年後まで抜けない新記録を東京で出しちゃうかもしれない。女子中長距離のベテランのシファン・ハッサン選手(オランダ)とか、女子400mハードルのシドニー・マクラフリン選手(アメリカ)も気になったり。

 
(元難民の)ハッサン選手はその生き様を知ると、引退したあとにどこで何をするのかまで気になってしまう(笑)。マクラフリン選手は別種目の200mとか100ⅿに出ても勝ってしまうんじゃないかってほどの可能性を感じます。魅力的な選手はたくさんいますよ」

 
 1997年アテネ大会から2022年オレゴン大会まで、13大会、25年間に渡ってTBSの中継のメインキャスターを務めた織田さん。その情熱あふれる語り口と親しみやすいキャラクターで視聴者の心をつかみ、大会の認知度アップに貢献してきた。23年の前回ブダペスト大会の際には、そんな織田さんの不在を嘆く声も聞かれたが、地元開催の今回は、以前とは異なる立場で世界陸上に帰ってきた。


 今でこそ織田さんの陸上好きは広く知られる。だが、97年のキャスター就任時点では、興味も知識もまったくなかったと振り返る。それなのに、なぜオファーを引き受けたのだろう。

「僕も『なんで俺?』って思いましたし、スタッフにもそう言いました。そうしたら、『陸上ファンではない人にも中継を見てもらいたい。だからこそ(陸上に興味のない人に)やってほしい』と言われたんです。

 ただ、視聴者にどう伝えればいいかがわからないので、それぞれの国の事情から選手の詳細なプロフィールまで(TBSの)勉強会で教えてもらって、自分が面白いと思ったことをそのまま伝えられればと思ってやってきました。それでまさか25年もやることになってしまった(笑)」

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著者プロフィール

  • 栗原正夫

    栗原正夫 (くりはら・まさお)

    1974年6月11日生まれ、埼玉県出身。大学卒業後、放送、ITメディアでスポーツにかかわり、2006年からフリーランスに。サッカーを中心に国内外のスポーツを取材し、週刊誌やスポーツ誌に寄稿。ワールドカップは1998年、夏季五輪は2004年からすべて現地観戦、取材。メジャーよりマイノリティ、メインストリームよりアンダーグラウンド、表より裏が好み。サッカー・ユーロ、ラグビーワールドカップ、テニス4大大会、NBAファイナル、世界陸上などの取材も多数。

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