駅伝強豪校の最新勢力図 「昨年と天と地ほどの差」がある駒澤大は大丈夫か? (2ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun

 創価大は、主力選手が確実に結果を残した。2部10000mでは、スティーブン ムチーニ(2年)が27分41秒52で2位、吉田響(4年)は28分12秒01で8位入賞し、ともに自己ベストを更新。2部ハーフマラソンでは、吉田凌(4年)が9位、山口翔輝(1年)は15位と健闘、2部5000mでは、小池莉希(2年)が7位入賞した。織橋巧(2年)が16位、石丸惇那(3年)が19位ともうひとつだったが、彼らの状態が上がり、秋までに山口らルーキーが台頭してくれば、山に強い吉田響がいるだけに往路ではある程度の優位性を持って戦えるのは間違いない。

 中央大は、選手によって明暗がはっきり分かれ、走って欲しいと期待されて出場した選手の結果がもうひとつだった。
 
 1部10000mでは溜池一太(3年)が28分07秒82の自己新で4位に入賞し、吉居駿恭(2年)とともに次代のエースとしての存在感を見せた。1部ハーフマラソンでは白川陽大(3年)が3位、1部5000mでは岡田開成(1年)が6位入賞を果たし、ルーキーながら力強い走りを見せた。だが、10000mで山平怜生(4年)は15位、ハーフで佐野拓実(4年)が21位、本間楓(2年)が39位に終わり、藤原正和監督もちょっと想定外だっただろう。

 中央大は、毎年、中間層の成長が課題になるが、今年もその層がどこまで戦力になっていけるか。その課題が解消されたとは言い難い。箱根駅伝は予選会を経て、本大会での優勝争いを考えるならば、戦える中間層のボリュームを上げていくことが必要になるだろう。

 順天堂大は、一昨年、強い4年生が卒業。さらに、今年の3月にはエースの三浦龍司も卒業し、新しいチームを構築し始めたばかりだ。今年は力のある1年生が入学したが、関東インカレではそのルーキーたちが出走した。
 
 1部1000mでは玉目陸が28分13秒67の自己ベストで8位入賞したが、海老澤憲伸(4年)は21位、吉岡大翔(2年)は25位と低空飛行。1部5000mでは、13分43秒03のタイムを持つ永原颯磨、さらに川原琉人(13分52秒29)、池間凛斗(13分58秒96)のルーキーが出場したが、永原が25位、川原が29位、池間が16位とふるわず、少し物足りない結果になった。
 
 吉岡が昨年から悪い流れを引きずったまま、伸び悩んでいるのが気になるが、ここから彼を含めた2、3年生がどこまで上げていけるか。箱根予選会の突破と、その先の本戦を見据えてのチームビルディングになるが、玉目は、「順大にスーパールーキーと言われる1年生がたくさんいるので、学内で切磋琢磨して他大学に負けないようなチーム、学年になっていきたいと思います」と冷静に語る。順大は1年生が順調に伸びて上級生になった時に上位を狙えるチームとなる強化を進めながら目の前の試合を戦っていくシーズンになりそうだ。

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