いきなり「史上最強」ヴィンセント超えの衝撃! 東京国際大・驚異の新留学生は箱根駅伝で活躍できるのか (2ページ目)

  • 和田悟志●取材・文 text by Wada Satoshi
  • photo by Wada Satoshi

●箱根駅伝で真の"最強留学生"となれるか

 もうひとりの留学生、アモスも、国際大会の「World Indoor Tour Madrid2023」で3000mを制した実績があり、5000mの自己記録は13分20秒40と力がある。

 4月8日の金栗記念選抜陸上ではリチャードに先着し、「ゴールデンゲームズ in のべおか」でも13分23秒83と上々の走りを見せた。

アモス・ベットも安定して好記録をマークしているアモス・ベットも安定して好記録をマークしているこの記事に関連する写真を見る リチャードに比べるとどうしてもインパクトは薄れてしまうが、1年目としては十分な活躍ぶりだ。

 だが、トラックでどんなに活躍をしようと、昨今の大学長距離界は、どうしても駅伝、とりわけ箱根駅伝のパフォーマンスで評価されてしまう。トラックで驚異の走りを連発するリチャードでも、箱根駅伝で活躍してこそ、世間からは真の"最強留学生"と見られるのではないだろうか......。

 箱根駅伝にケニアからの留学生が初めて登場したのは昭和最後の大会となった1989年の第65回大会。日本テレビ系列の全区間完全生中継が始まったのもこの年からで、留学生ランナーの走りは、たびたびお茶の間に強烈なインパクトを与えてきた。

 そのなかでも、先輩のヴィンセントのパフォーマンスは圧倒的だった。

 1年時には3区21.4kmを59分25秒で走り切り、従来の区間記録を2分以上更新。2年時はエース区間の2区で、向かい風にも負けず13人抜きの快走。前年に相澤晃(現・旭化成、東洋大OB)が打ち立てた区間記録をわずか1年で塗り替えた。

 3年時はレース中に左足を負傷し区間5位にとどまったが、最後の箱根ではケガ明けにもかかわらず、4区で区間新記録を樹立。ヴィンセントは現行のコースで3つの区間記録を持つ。これが"史上最強の留学生"と呼ばれた所以だ。

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