箱根駅伝区間エントリーから各校の思惑を読む。駒澤大、青学大の2強の勝負ポイントは6区終了時点 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by MATSUO.K/AFLO SPORT/AJPS

【6区終了時の位置がポイント】

 両校ともに往路に起用する戦力も豊富だ。青学大は原監督が、「6区は誰を使っても58分台で走れる」と話していたように、エントリーした西川魁星(4年)はその条件をクリアしているはず。7区は1年生だった前々回に4区区間4位、前回は8区区間2位と箱根での信頼感が高い佐藤一世(3年)をエントリーしているが、そこで確実にトップに立つ構想だろう。8区と9区は1年生をエントリーし、10区は前回区間新を出している中倉啓敦(4年)をエントリーしたが、今季は出雲と全日本を走り、前回は9区で区間新を出した中村唯翔(4年)のほか、岸本や太田の可能性もある。さらには出雲を走っている田中悠登(2年)もいて万全な状況だ。

 一方、駒澤大も経験者がいない6区は帰山侑大(1年)をエントリーしたが、この区間を希望している赤星雄斗(3年)に当日変更するか。そこを乗り越えれば7区は、前回3区で16位と不本意な走りながらも、今季は出雲で5区区間1位、全日本は6区区間4位と好調な安原太陽(3年)をエントリーし、8区は全日本の8区で区間賞を獲得した花尾恭輔(3年)、9区は前回区間4位で信頼感のある山野力(4年)、10区は前回区間6位の青柿響(3年)をエントリーしている。さらにハーフマラソン1時間01分01秒を持ち、全日本では5区で区間2位だった篠原倖太朗(2年)も控えていて、どこかに当日変更で入る可能性も高い。

 前回の青学大は、3区でトップに立ったことで、それ以降の区間の選手たちは自分たちのペースで走り、それぞれの力を100%出せたことが独走の要因であった。6区終了時点でどちらが前に出ているか。さらにどこで1分半ほどの差をつけられるかが、優勝候補筆頭である2校の勝負を決めるポイントになるはずだ。

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