創価大が全日本大学駅伝初出場で5位。箱根では、安定の4年生を中心にどこまで行けるか (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 和田悟志●撮影photo by Wada Satoshi

大きな計算違いはない

 流れを作らなければいけない序盤の区間は、1区にこれまで3大駅伝に出場していないながらも、5000mはチーム日本人2位の13分57秒61の記録を持ち、1万mも10月下旬に28分33秒58を出した横山魁哉(4年)を起用。青学大の目片将大(4年)がスタート直後から飛び出したが、有力校がいる集団は牽制しあって、5km通過が目片から30秒以上遅れる難しい展開になった。そのなかでも冷静に走り、終盤も粘って青学大に9秒差、駒澤大と同タイムの5位で繋いだ。

 その走りを受けた2区の葛西は、駒澤大のスーパールーキー・佐藤圭汰(1年)と競り合いながら前の青学大をかわすと、2.8km過ぎには大東大を抜いて先頭に立った。そして終盤は一度引き離されながらも、ラストスパートで佐藤をかわし、区間新の走りで1秒差のトップで3区につなぐ目算どおりの展開へ持ち込んだ。

 そのあとの3区では吉田凌(2年)が区間12位で4位に落とし、4区は出雲駅伝も走った石丸惇那(1年)が区間11位で6位まで落とした。だが5区の嶋津は2秒前にスタートした青学大にすぐに追いつく積極的な走りをすると、結果的に区間3位の走りで4位の中継となったが、10km過ぎには50秒前に出ていた順天堂大や1分05秒前だった早稲田大を抜いて3位争いを主導する彼らしい走りでレースを立て直した。

 だがそのあとは、6区の新家裕太郎(4年)は青学大と順天堂大に突き放されて5位に落ち、7区のムルワと8区の山森龍暁(3年)は順位を上げることはできなかった。それでも結果は、一時は前にいた早稲田大や、中央大や東洋大を抑えて、5時間12分10秒での5位。今、持っている力は見せつけた。

「3区と4区が2年と1年だったので、『そこでどれだけ耐えられるかな』と思っていましたが、上位の大学は4年生を配置したり、起用した1年生が区間賞を獲ったりとか、強いチームの勢いが我々より上回っていたと感じました」

 こう振り返る榎木監督は、「大きな計算違いはなかった」と言い、こう続けた。

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