箱根駅伝の優勝は? 有力校監督5人がトークバトルでキーになる選手、目標を語る (4ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by KYODO NEWS

 東京国際大の大志田監督が掲げた目標は、東洋とほぼ同じだ。

「目標は、往路3位、復路は流れで、総合3位内です。往路はヴィンセントがいますし、日本人選手もだいぶいい走りができるようになりました。駅伝は流れを作るのがセオリーなので、往路で順位を確保して、復路は流れで伸び伸びと順位を決めずについていって、総合3位内に入れればいいなと思っています」

 出雲で優勝、全日本では5位だったが6区では一時トップにも立った。選手は自信をつけ、戦える力を持っていることを証明した。「ヴィンセント区間」は、各大学ともお手上げだが、そこでどれだけ差を広げ、次に余裕をもって襷(たすき)をつなげるか。往路は東京国際大が突っ走りそうだ。

 順大の長門監督は、全日本3位になり、三浦を擁していることもあって前評判がいい。

「今回の目標順位は往路3位、復路3位、総合3位です。三浦がどういう走りをしてくれるのか楽しみですけど、まだ上位チームとは差があるのかなと思っていますし、駅伝はデコボコするので安定した走りで3番を狙います」

 3年生を中心に大砲・三浦が昨年1区10位の悔しさを晴らすべく、どんな走りを見せてくれるのか。三浦がいい流れを作れば、「チャレンジングな走りをしたい」という長門監督の願いどおり、おもしろいレースが展開できそうだ。

 創価大は、前回2位という成績だったが、完璧な流れを作った駅伝を見せてくれた。今回の目標について榎木監督は「往路優勝、復路3位、総合3位内」を掲げた。

「往路優勝は、前回は勢い半分なところもありましたので、今回の箱根は狙って往路で優勝したいと思っています。経験者が多くいますし、彼らが1万mのタイムを上げてレベルアップし、選手が往路優勝を狙いたいという気持ちが強くなっているからです。復路は、前回はアンカーで取りこぼしがありましたけど、今回は選手のレベルアップができているので、自信をもって復路も3位内を狙っていきたい」

 たまたまその順位になるのと、狙ってとりにいくのでは意味がまるで異なる。狙っていくという宣言は力がなくてはできないこと。今回の創価は前回同様、往路で流れに乗れば、復路もそのまま流れて総合優勝というのも十分可能だ。

 「史上最強」と自ら語る青学大の原監督は、完全優勝に自信満々だ。

「往路1位、復路1位の完全優勝が目標です。指揮官が2番、3番と言っているようじゃダメ。今のところ順調にきていますし、前回は山でブレーキがありましたけど、その穴埋めは今年十分できると思っています。コンディションが整えば、大会記録の10時間45分23秒の更新もできるんじゃないかなと思います」

 全日本大学駅伝で最後に生き残り、競い合ったのは青学大と駒澤大だった。長い距離になれば地力のあるチーム、選手層の厚いチームが有利になる。この2強に割って入り、駅伝をおもしろくさせてくれるチームは果たしてどこになるのか。それがトークバトルに参加したチームから出ても何ら不思議ではない。

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