2021.10.25

箱根駅伝予選会で好走。昨季スーパールーキーと呼ばれた逸材など本戦でも注目の3選手

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by KYODO NEWS

10月23日に行なわれた箱根駅伝予選会の様子10月23日に行なわれた箱根駅伝予選会の様子 この記事に関連する写真を見る  

 今回の箱根駅伝予選会は、駿河台大が初出場を決め、箱根常連校の拓殖大が11位で落選するなど、例年のように明暗が分かれる大会になった。予選突破を決めたチームには、エースはもちろん、故障から復帰した選手がいきなり活躍するなど、チームを勢いづかせる要素がある。本戦出場を決めたチームからキープレーヤーにクローズアップした。

 今回の予選会で安定した強さを見せたのが、明治大だ。

 10キロ、15キロとトップを走り、最終的に10時間33分22秒でトップ通過を決めた。そのなかで、チームのトップ通過に大きな役割を果たしたのが、児玉真輝(2年)だ。次代のエース候補であり、自らもその意識が高い児玉は1時間2分58秒で日本人9位、明大では加藤大誠(3年)、鈴木聖人(4年)についで3番目でフィニッシュした。

「今日のレースは、風が出たり、気温が高くなったりすると思っていたので、個人的にはあまりタイムを気にしないようにしていました。日本人の2位集団の中で粘って走り、後半に上げていって、1位集団に追いつけたらというプランで走っていたんですが、そのとおりになりました。そういう意味では自分らしいレースができたかなと思いますし、自信がつきました」

 だが、明大内での順位について感想を聞かれると、表情が引き締まった。2年生としては、十分に役割を果たしたかのように見えたが、児玉はもうひとつという様子だった。

「チームのなかではトップを目指していました。先輩方に負けてしまったので、悔しい気持ちが大きいですね。先輩方に頼りすぎなので、自分は(先輩方を)どんどん倒していくという気持ちでこれからやっていきたいです」

 児玉の調子が100%であれば、明大内でのトップも見えただろう。だが、この予選会は、児玉にとってはレース復帰戦だった。5月、関東インカレ前に肺気胸を患った。再発を防ぐために手術を行ない、それから1か月半、走ることはもちろん、歩くのが精一杯という状況だった。

「手術して何もできなかった時は、キツかったですね。でも、7月にちょっとずつ走り始めて、夏合宿でだんだん上げていくことができました」

 夏合宿に参加した時も最初からトップチームの練習に参加できたわけではなかった。主力の選手が30キロ走をしている時、児玉は20キロに落とすなどセーブして練習しつつ、個人的な目標を持って練習をこなしていた。

「夏合宿は、復帰過程だったので、まずはケガをせず、確実に体力と走力を戻していくのと、予選会があるのでハーフマラソンの距離に対応するために距離を走るというふたつのことを意識して練習していました。左の肺に穴が開いたんですけど、合宿の最初の頃はすごく違和感があったんです。でも、気がついたら違和感がなくなって、最後は1番上のチームで、みんなと一緒に練習ができるようになったのでホッとしました」

 児玉は復帰レースとなった予選会で結果を出し、チームは箱根駅伝の出場権を獲得した。昨年は、優勝を目標に臨んだが、11位という予想外の結果に終わり、選手は失意の底に落ちた。「同じ思いは二度としたくはない」と児玉は語る。希望区間は、2区だ。

「2区は、地元ですからね(笑)。そこをエースとして走るのか、それとも耐える区間としての2区になるのか、まだわからないですけど、自分は2区を行きたいです」

 2区に児玉が入れば、他の区間を上級生が走り、強豪校とも十分に戦えるオーダーが組める。そうなればシード権獲得はもちろん、5位内も狙えるだろう。