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出雲駅伝で打倒・駒澤大に燃える3大学。隙のない王者を倒すための勝ちパターンは? (2ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato
  • photo by MATSUO.K/AFLO SPORT

 9月の日本インカレで5000mを制した近藤は、「チームとしては駅伝3冠を目標にしています。その実現には、自分がエース区間でしっかりと走らないといけません。正直、東京国際大のヴィンセント選手や駒澤大の田澤廉選手には勝てないと思うので、実際には30秒~1分は(リードが)ほしいですね(笑)」と話していた。田澤はアンカーに入る可能性が高い。青学大が3年ぶりの出雲制覇を果たすには、5区終了時までに駒澤大からリードを奪っておきたいところだ。

 早稲田大は中谷雄飛(4年)、太田直希(4年)、井川龍人(3年)の10000m27分台トリオ、今季5000mで13分31秒51をマークしている千明龍之佑(4年)、5000mで13分36秒57を持つ伊藤大志(1年)とスピードランナーが揃う。区間距離を考えると、最もフィットする大学だ。しかし、エースの中谷が日本インカレ5000mを途中棄権しており、どこまで調子を合わせてこられるのかがカギになりそうだ。

 爆発力のある中谷が万全な状態なら、ロング区間で駒澤大に先行できる可能性がある。千明をショート区間に回すことができれば、その区間でも攻撃できる。11年ぶりの出雲Vはエースの完全復活にかかっている。

 そして今回、台風の目になりそうなのが東京国際大だ。

 何よりイェゴン・ヴィンセント(3年)の走力がずば抜けている。箱根駅伝は1年時に3区で、2年時は2区で区間記録を樹立。2年連続で同じ区間になった田澤を相手に、それぞれ2分00秒、1分38秒差をつける圧倒的な差で勝利している。また、5月の関東インカレ(2部)でも5000mと10000mで完勝。10000mでは日本人選手に35秒以上の大差をつけた。

 出雲駅伝6区の区間記録はギタウ・ダニエル(日本大4年時)が2009年に記録した28分17秒。同区間の日本人最高は土方英和(國學院大4年時)が2019年に記録した29分05秒だ。ヴィンセントは区間記録を、田澤も日本人最高記録を塗り替えるような快走が予想される。ヴィンセントは田澤が相手でも、30~40秒差なら追いつくことができるだろう。

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