100mハードルの寺田明日香、陸上を離れる前の自分に決着を。東京五輪は「終わりであり、始まり」 (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Naoki Morita/AFLO SPORT

 そう話す寺田は、東京五輪を「終わりであり、始まりでもある」と考えているという。陸上を離れる前の自分の思いを成仏させる場所でもあり、今の陸上選手としての自分をスタートさせる場所。そこで果たしたいのは、今の自分がどこまで戦えるかを確かめることだ。

「国立競技場は風が吹かない競技場ですが、予選は確実に12秒8台で走っておかなければいけないと思います。準決勝は大一番の勝負になるので、国立で8台を出せたという自信を持って冷静に......。そこで12秒7台前半は出さないと決勝進出はないと思うので、できれば12秒68~70を出すという気持ちで臨みたいです」

「あわよくば決勝進出」という思いもある寺田だが、まずは、準決勝でどんな戦いができるかだ。もし決勝に届かなくても、できうる限り迫りたい......。それを果たすことは、彼女のその先の競技人生にとっての大きな力になるはずだ。

「五輪が終わったらハードルはいったんお休みして、100mを走ろうと思っているんです。自由に思い切り走って、どのくらいで走れるようになっているか見たいと思っています」

 寺田はそう言って、明るく自信に満ちた笑顔を見せた。

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