「こんなに運動能力の高い選手は見たことがない」監督も驚く110mハードラー泉谷駿介のすごさ (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 高橋学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 高校3年のインターハイでは8種競技で優勝し、三段跳びは3位。同年の高校ランキングでは8種競技と三段跳びで1位、110mハードルが3位と抜群の運動能力を持っている泉谷。進学は、「三段跳びなどの跳躍種目をやりたい」と順天堂大学を選んだ。

 2018年に入学後は、越川一紀コーチの指導を受けて、6月のアジアジュニア三段跳びで3位になると、7月のU20世界選手権110mジュニアハードルで銅メダルを獲得。さらに、10月のU20日本選手権では三段跳びと110mジュニアハードルで2冠を達成。ハードルでは13秒19のU20日本記録を出した。

 そして翌年、泉谷は一気に110mハードルで世界に近づいた。5月のセイコーグランプリで日本のトップ選手や外国勢もいる中、追い風参考記録ながら日本記録を大きく上回る13秒26で優勝。6月の日本選手権では高野峻野(ゼンリン)と同タイムの13秒36(日本タイ記録)で2位になり、9月末からの世界選手権代表に選ばれた。

 初の大舞台は肉離れで棄権と悔しい結果になったものの、順大の山崎一彦監督は、「これまでこんなに運動能力の高い選手は見たことがなかった」と話し、こう続ける。

「19年、20年とケガが多かったですが、跳躍とハードルの両方をやっていた負担が大きかったからだと思います。『どの種目でもいける』というくらいの能力を見せていましたが、それぞれの種目のレベルが上がってきたことでケガのリスクも大きくなり、肉離れをしていました。19年世界選手権は3週間前の日本インカレ(走り幅跳びの後のリレー)で痛め、20年も走り幅跳びの踏み切りで肉離れをしてしまいました」

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