2020.09.30

卜部蘭の憧れは「自由人」。仲間から
「いい加減と言われても嫌じゃない」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

中距離界のホープ
卜部蘭インタビュー
プライベート編

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 陸上中距離の800mと1500mをメインにしている卜部蘭(うらべ・らん/積水化学)。昨年の日本選手権で2冠を飾るなど注目の選手だ。練習は、横田真人コーチが指導するツーラップス・トラッククラブを拠点にしている。そのクラブのwebサイトで卜部は、「競技で一番大事にしていること」という質問欄に対して「過去の自分を超えること」とストイックに答えている。

 陸上と真っすぐに向き合う彼女の姿勢は本物だが、自己分析では「自由人」と書き、チームメイトが書く卜部の性格は「日本が誇る適当」(新谷仁美)や「女帝」(館澤享次)、「Urabe World」(樺沢和佳奈)と様々だ。そんな卜部のキャラクターを、一問一答で解き明かしていく。

最初から最後まで笑顔でインタビューに答えてくれた卜部蘭選手――ご両親が元陸上選手ということですが、子供のときから何かスポーツはしていましたか?

 はい。幼稚園の時は、鉄棒や球技、ホッケーなど、毎回違うスポーツをやるクラブに週1回通っていました。小学生に上がってからは新宿区に引っ越したので、国立競技場にある体育館で活動する同じようなクラブに入りました。自宅から3kmくらいだったので、毎回、母と弟と走って通っていました。嫌だと思ったことはなくて、後に母から「走るのもトレーニングの一環だった」と聞いて、知らず知らずのうちに陸上をやっていた感じです(笑)。

――その小学校選びも、お母様のこだわりがあったとか。

 母は、マラソン大会が恒例行事になっている学校を探したそうです。得意なものを見つけてほしいという思いがあったみたいなんですが、私はマラソン大会で自然に「自分は走るのが得意なんだ」と感じるようになっていったので、母の願いは的中しましたね。それがなければ、走るのが得意だとは気がつかなかったかもしれません。

――マラソン大会では、もちろん毎年優勝ですか?

 そうですね。小学1年の時に、6年生で優勝した男の子が「6年間優勝できてうれしいです」とコメントをしていて、それがすごくかっこよく見えたし、私も1年生で優勝していたので、「6年間ずっと優勝して同じようにコメントしたい」と思いました。5年生までは毎年順調に優勝したので、6年生のマラソン大会では、これまでの陸上の中で一番というくらい緊張しました。朝起きてからも吐きそうになって......(笑)。応援に来てくれる祖父や祖母に、「今日は出場できないかもしれない」と言うくらい緊張していたんです。でも、なんとか1番になれて、6年連続優勝を果たしました。