池田向希が競歩代表に内定。強さの秘訣は同郷同学年の「同志」の存在 (5ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

 そんな池田にとって大きな刺激になったのは、同学年の川野将虎(まさとら/東洋大)の存在だ。川野は、昨年10月の全日本50km競歩高畠大会で、同年世界最高となる3時間36分45秒の日本記録を出して優勝し、東京五輪代表に内定した。

「川野が先に東洋大3大会連続五輪出場を決めてくれたことで、気持ち的にはラクになりました。彼は僕には足りないものを持っているからこそ、僕も五輪を決められたのだと思います。勇気や思い切りのあるレース運びが彼の強みだと思ったので、(自分も)今までやっていなかった長い距離の練習や長い時間の歩き込みを、少しずつやるようになりました」(池田)

 酒井コーチの夫で陸上部監督の酒井俊幸氏も「池田と川野は同じ静岡県出身で高校時代からライバルですし、今は寮も同部屋です。同志という感じでお互いを高め合えています。これまでは池田の方が国際大会の結果はよかっただけに、川野が先に結果を出したことは、池田にとってかなり刺激になったと思います」と話す。

「今の実力では山西さんとの差はあると感じているし、金メダルを狙うとも言い切れない。それでも、東京五輪までにその差を埋めて、『目標は金メダル』と言えるようにしたい」

 池田は、そう力強く話す。だが、世界で2勝したとはいえ、国内の20km主要大会ではこれが初優勝だ。山をひとつ越えた池田向希は、今回の勝利により、東京五輪へ向かう強さを身につけたのだ。

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