東海大の黄金世代に「勝ち意識」の呪縛。出雲駅伝で4位も収穫はあった
東海大・駅伝戦記 第63回
第31回出雲駅伝は、6区でトップから37秒差でスタートした国学院大の土方英和(ひじかた・ひでかず/4年)が、残り700mを過ぎて駒澤大の中村大聖(4年)を抜き去るという圧巻の逆転劇で、悲願の初優勝を飾った。
土方がゴールテープを切ってから20秒後、東海大のアンカー・西田壮志(たけし/3年)がやってきた。「学生駅伝3冠」を掲げ、その初戦となった出雲駅伝で東海大は4位に終わった。
チームは4位に終わったが、6区で区間2位の走りを見せた東海大3年の西田壮志「アンカー勝負になるだろう」
レース前、両角速監督が言っていたとおりの展開になった。
6区で駒澤大が先行し、東洋大の定方駿(4年)がつづき、そのあとを土方、西田、青学大の中村友哉(4年)の3人が追う展開となった。すると6キロ過ぎ、2位の定方に土方、西田が追いついた。
「西田が出て、ちょっと期待を持たせるというか......もしかしてというのがありましたね」
両角監督は西田の踏ん張りに期待した。だが、8キロ地点で土方らに離されてしまった。とはいえ、区間2位のタイムで最後まであきらめなかった西田の走りは、次につながるものだった。勝負に負けはしたが、東海大にとっては収穫のあるレースだった。
その収穫として両角監督は、「途中で後退することなく最後まで戦えたこと」と、「出雲初出場の3人がいいレースをしてくれたこと」を挙げた。その3人とは、西田と3区の塩澤稀夕(きせき/3年)、4区の市村朋樹(2年)である。
塩澤にとっては、まさかの3区だった。
「最初は1区で、2区もあるかなって思ったんですけど、前日の朝に3区と言われた時はかなりプレッシャーでしたね。しかもオーダーを見て、よりプレッシャーがかかりました」
3区には、国学院大の浦野雄平(4年)、青学大の吉田圭太(3年)、駒澤大の田澤廉(1年)、さらに東洋大の相澤晃(4年)など各大学のエース格が名を連ねていた。
塩澤はトップの北海道選抜から27秒差、5位の相澤とは4秒差の6位でスタートした。塩澤はすぐに相澤に追いつき、ついていった。
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