2019.10.13

三大駅伝で優勝を狙う東洋大。
酒井監督の「強制なし」マネジメント術

  • 佐藤主祥●取材・文 text by Sato Kazuyoshi
  • photo by Nikkan Sports/AFLO

 前回の箱根駅伝で、往路優勝を果たしながら総合3位に終わった東洋大学。就任11年目の酒井俊幸監督は、6年ぶりの箱根駅伝の総合優勝に向けて、どのようなチームを作ってきたのか。10月14日の出雲駅伝を前に、他大学の印象、東洋大で実践しているチームマネジメントなどを聞いた。

前回の箱根駅伝で往路優勝を果たした東洋大学――2年連続の往路優勝を果たした今年の箱根駅伝は、どのような戦略で臨んだのでしょうか。

「ライバルと見ていた青山学院大学と東海大学を研究し、シミュレーションしていく中で、両大学とも2区にはエース級の選手を置かないと予想しました。だから2区は山本修二(当時4年)で勝てると考え、彼を起用。そして4区に相澤晃(当時3年)を置き、確実に往路優勝を勝ち取って『主導権を握った状態で復路に挑もう』という戦略で臨みました。青学大も東海大も、5区には強い選手がいたので、そこまでに十分なアドバンテージがないと往路を制することはできないと思っていました」

――往路は酒井監督の狙いどおりだったと。

「そうですね。まず1区の西山和弥(当時2年)が区間賞。2区では最後に国士舘大学に先頭を奪われ、3区でも青学大の森田歩希くん(当時4年)が区間新記録を出し、一時は首位を譲ったんですが、4区の相澤で1キロもいかないうちに追いついて突き放すことができた。5区の田中龍誠(当時2年)も調子がよく、安心して見られる状態でしたから、4区、5区で青学大のリズムを崩せたかなと思います。

 しかし、うちは7区で苦戦しました。実は7区の小笹椋(当時4年)が走行中に、両足にマメができてしまったんです。序盤は順調だったのですが、中盤地点からマメができはじめて、その影響で終盤はフォームが崩れてしまっていました。これが大きく影響しましたね」

――多くの収穫・課題があった中で、次回の箱根駅伝で勝つためのポイントを、今の段階でどのように分析されていますか?

「ここ2年は往路で優勝しているので、『(東洋大は)主力選手を往路に投入してくる』と、他大学は予想してくるでしょう。次回大会では、ライバルの2大学はもちろんですけど、山登りの5区に強い選手がいる国学院大学、あとは法政大学もかなり勢いがあります。両校とも『往路優勝を取ろう』と考えていると思いますが、うちが総合優勝するためには往路を制することはマストだと感じています」