神野大地、MGCで惨敗も納得。ファイナル挑戦は「狙いたいけど...」 (4ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Kishimoto Tsutomu

 そして残された1枠、MGCファイナルチャレンジをどうするのか。レース後、そのことについて神野はこう言った。

「東京五輪を目指してやってきたので、可能性がある限り、狙っていきたいと思いますけど......2時間5分49秒というのは、そう簡単に出せるタイムではないと思います。いつもなら『2時間5分49秒を狙っていきたいです』と言うと思うのですが、僕のベストが2時間1018秒。今の時点はそのタイムが見えないのが現実です」

 気持ちはあきらめたくないが、現実的には相当に厳しい。5分近くもタイムを縮めるのは並大抵のことではない。

 まだMGCが終わったばかりで、次のことなど考えられないだろう。ただ、個人的には3つのレースのうち、どれかを走ってほしいと思う。代表権がかかったレースを走るというのは、普通のそれとは違う。痺れるような経験が、神野をワンランク上のランナーへと押し上げてくれるような気がするからだ。

 MGCのあと、神野はこれまでとは異なり、敗れたとはいえ充実感を漂わせていた。

「今、涙が出ていないのは、やり切った結果だと思います」

 神野はキッパリとそう言った。

 最大の目標にしていたMGCのレースは終わった。次、神野は何をモチベーションに、どんな目標を掲げ、どう動くのか。MGCファイナルチャレンジへの挑戦を含め、神野が次に発する「言葉」が楽しみだ。

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