2018.10.12

出雲駅伝「完敗」の東海大は巻き返せるか。
初駅伝組が次につながる好走

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Kyodo News

東海大・駅伝戦記  第33回

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 館澤亨次(たてざわ・りょうじ/3年)がタオルを握りしめ、背を向けて号泣している。中島怜利(れいり/3年)は、ベンチの一番端に座り、魂を抜かれたかのように沈んでいた。

 学生3大駅伝のスタートとなる出雲駅伝、東海大学は2連覇を達成できず、3位に終わった。前評判では青学大、東洋大とともに優勝候補の一角に挙げられていたが、レースは青学大の影すら踏めず、両角速(もろずみ・はやし)監督は「完敗です」と厳しい表情を見せた。

“黄金世代”の3年生が主力で、5000m13分台の選手は青学大よりも多く、しかもスピードに強いチームがスピード駅伝と言われる出雲で、なぜ勝てなかったのだろうか――。

出雲駅伝連覇を狙った東海大だったが3位に終わった。写真はアンカーの湯澤舜 今年の東海大の出雲駅伝のエントリーメンバーが発表された時、主力選手が故障のために出場できないことがある程度わかっていたとはいえ、その編成は衝撃的だった。

 昨年の優勝メンバー6名のうち、エントリーした選手は關颯人(せき・はやと/3年)、鬼塚翔太(3年)、館澤の3名だけ。昨年1区で区間賞の阪口竜平(3年)、5区で区間賞の走りを見せた三上嵩斗(しゅうと/4年)は故障中で走れる状態ではなく、昨年3区の松尾淳之介(3年)も外れた。

 決戦前夜、発表された区間配置のメンバーではさらに鬼塚が外れ、優勝メンバーは關と館澤だけになった。初駅伝となる西川雄一朗(3年)が1区、郡司陽大(あきひろ/3年)が5区、湯澤瞬(4年)がアンカーに起用されるなどフレッシュなメンバーに加え、箱根6区のスペシャリスト中島が3区に選出された。

 両角監督は、駅伝初出場の3人プラス、エース区間の3区を任せた中島に大きな期待を寄せた。戦略的には「前半3区までは粘って、アンカー勝負に持ち込めれば」というプランを描いていた。青学大、東洋大ともに前半の3区間にエースと主力を割き、前半勝負の選手配置をしてきたからだ。