100m王者は山縣亮太。9秒台連発の中国勢にアジア大会で勝てるか (4ページ目)
一方、10秒16の3位に敗れ、アジア大会の個人種目での出場はならなかった桐生は、悲観的な表情を見せなかった。それは、まだ状態を上げている途中の段階だという意識もあるからだ。
「今季は10秒26から17、15とずっと上げてきているけれど、そこからもう一段階というところでは調整ミスでしたね。今回は2位になっても10秒12(東京五輪ターゲット記録・スタンダード)を切っていないからアジア大会には出られませんが、今はやっと体調も体重もいつも通りになってきたところなので、これからの大会では、自分の中で『出るだろうな』という感じがあります」
3人が揃って口にしたのは、6月19日の謝震業の9秒97に続き、22日には蘇炳添がマドリードの大会で、9秒91のアジアタイ記録を出したことだ。そんな中国勢と8月のアジア大会では戦うことになる。ここまでは国内のライバルに勝つことを目標にしてきた彼らも、これからはアジアとの戦いに視線を向ける。
勝つための必要条件として、9秒台は見せなければいけない。それは彼らにとって9秒台という数字が、これまで以上に身近なものになることでもある。中国から生まれた刺激をどれだけ生かしてアジア大会に臨めるかが、これからの見どころになるだろう。
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