記録よりも勝つこと。
サニブラウンが教えてくれた「短距離走の本質」 (5ページ目)
そして、彼にとってレース結果以上の収穫があったと感じたのは、この言葉からだった。
「こういう大会で勝てれば、9秒台や19秒台(という数字)はいらないと思う。必要性もそんなに感じない」
こういう大舞台では、そんな数字を考えて走る余裕はまったくなく、あくまでも、ほかの選手より先にゴールするということだけ。数字というのは、それに付随してくるものでしかない。
サニブラウンが今大会、得ることができたレースとの向き合い方。それこそが今の日本のスプリンターたちだけではなく、メディアも含めた周囲の者たちにも必要なものだろう。
今回あっさりと世界の舞台に駆け上がった18歳のサニブラウンは、そんな短距離の"本質"を私たちに教えてくれたように思う。
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