【東海大・駅伝戦記】館澤が1500m優勝。このスピードを箱根で使う (4ページ目)
レベルの高い仲間と質の高い練習に持って生まれた筋肉を融合させることでスピードをつけ、爆発的なラストスパートを実現しているのだ。
日本選手権(1500m)、個人学生選手権(1500m)の2冠を達成し、上半期のトラックシーズンは結果を出した。7月は東欧遠征、8月は夏合宿があり、9月からは本格的に駅伝シーズンに入っていくが、このトラックの成果をどう駅伝につなげていくのだろうか。
「夏に入ったら1500mはやめて、長い距離を踏むようにしていきます。20 km以上は苦手なので、しっかり走って、体力をつけていかないといけないですね。駅伝は1500mと違って最初からガンガン攻めるスタイルなので、そのスピードを活かしていきたいと思っています」
長距離は苦手というが、トラックでスピードを磨くことは、世界のレースがより高速化するなか、アフリカ勢に対抗するためには極めて重要なことだ。結局は、トラックの延長線上に1万mやマラソンもある。そのトラックでのスピードがないと世界では勝てない。館澤の狙いは、駅伝はもちろん、その先を見てのプランニングでもある。実際、長距離への手ごたえを感じられるレースがあったという。
「個人選手権で5000mに出て、負け(4位)はしたんですが、ラストを上げることができたんです。それができたということは、トラックでスピードを強化してきた成果が出てきたんだと思います」
三大駅伝、そして今後世界と戦うための武器を着々と手にしているのだ。その武器を手に夏からは駅伝に力を入れていくことになる。館澤は昨年、出雲、全日本、箱根の3大駅伝をすべて走った。距離の短い高速駅伝の出雲では2区2位、全日本は3区1位という安定した走りを見せたが、箱根は山登りの5区で13位と苦しんだ。今年はどういう目標を設定しているのだろうか。
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