2017.03.19

順当という名の低調。川内優輝ほか
男子マラソン代表に未来は見えるか

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

 ロンドン世界陸上選手権の男子マラソン代表が、川内優輝(埼玉県庁)、中本健太郎(安川電機)、井上大仁(三菱日立パワーシステムズ)の3名に決まった。

福岡国際を日本人トップでゴールし、代表に内定した川内優輝 福岡国際マラソンと東京マラソン、びわ湖毎日マラソンの日本人3位以内と、別府大分毎日マラソンの日本人1位が対象になる世界選手権男子マラソンの代表選考。世界のトップから大きく水を開けられている中、どういった代表争いが繰り広げられるかが注目されていた。

 その第1弾となる昨年12月4日の福岡国際で、印象に残るレースをしたのは川内だ。その2週間前に出場した上尾シティハーフマラソンは、右ふくらはぎの痛みもあって1時間30分 以上もかかり、福岡国際の2日前には左足首を捻挫するなど満身創痍の状態だった。

 しかしレース本番では、力を発揮した。10km地点を過ぎてからの5kmのペースが15分25秒に落ち込んだ上に、ペースメーカーが23kmまでしかもたないという難しいレースになる中、25 km手前から仕掛けてペースを上げ、自らレースを作った。元世界記録保持者のパトリック・マカウ(ケニア)や15年世界選手権2位のイエマネ・ツェガエ(エチオピア)らとは30km過ぎまで並走。33kmでスパートしたマカウとツェガエには引き離されたものの、アマヌエル・メセル(エリトリア)とムラク・アベラ(エチオピア・ 黒崎播磨)をかわす。そして、36km過ぎにメセルを引き離して2時間09分11秒の全体3位でゴールした。

 優勝したツェガエには23秒差をつけられたが、2位のマカウとは14秒差。2時間9分台というタイム自体は期待を裏切るものではあったが、それ以上に、アフリカ勢を相手に自分でレースを作った積極性と、最後までトップにくらいついた執念は評価できる。