【月報・青学陸上部】原監督も自信!駅伝3冠のひとつ目、出雲へ (2ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun

 梶谷は夏季合宿で調子がよく、9月の学内TT(タイムトライアル)では4位という好成績を残した。青学同窓祭での出雲駅伝メンバーお披露目の時も「自信を持ってスタートラインに立てそうです」と3大駅伝のデビュー戦となる出雲を楽しみにしていた。原監督も安定した走りを見せていた梶谷に期待していた。それだけに故障による戦線離脱は痛手だ。

「まぁ今日、出雲組がどんだけ見せてくれるかだな」

 原監督は腕を組んだままスタートを待っている。出雲駅伝メンバーはひとり欠け、9名が6つの椅子を争うことになった。果たして、誰が出雲路を走る切符を手にするのか。

 スタートの音が鳴った。

 序盤から外国人がレースを引っ張る。青学勢は出雲組を中心に中盤から後ろにかけてグループを形成して走っている。全体的に抑えて、やや流しながら走っている感じだ。

 3000m手前から小野田勇次(2年)が上がっていき、先頭集団についた。10位内をキープし、上々の走りを見せている。小野田は「今年も狙うのは箱根」と2年連続での箱根駅伝出走を目指しているが、夏季合宿での25kmクロスカントリー走では体幹の弱さから軸がぶれて、後半に失速。なかなか調子が上がらず、9月の学内TTでは13位に終わり、タイムも5000mを14分14秒09と平凡だった。しかし、あれから10日、小野田の走りには力強さがみなぎっており、まるで別人のようだ。

 3000mを8分09秒で越えていった。

「小野田、いいね。覚醒したか」

 原監督がほくそ笑む。4000mを越えると下田裕太、田村和希が上がってきた。小野田はそのまま先を行く。

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