「末續世代」最後の現役。棒高跳・澤野大地がリオ入賞で伝えたもの

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

 8月15日の夜まもなく36歳を迎える澤野大地は、今もなお成長し続けているまもなく36歳を迎える澤野大地は、今もなお成長し続けているに行なわれた、リオデジャネイロ五輪陸上の男子棒高跳決勝。地元ブラジル選手の活躍に沸く中で、あと1カ月で36歳になる澤野大地が3人並ぶ7位タイに食い込み、日本男子棒高跳にとって64年ぶりの入賞を果たした。

 雨が降り出す中で始まったこの日の試合は、アクシデントが連発する難しい戦いになった。最初の5m50に数人の選手が挑んだところで雨が激しくなり競技は中断。

 雨が止んでから再開した試合で、澤野は5m50を一発でクリアして優位に立ったが、その高さの競技が続いている途中で、支柱に付けたバーを上げる機材が故障して、またしても競技の中断を余儀なくされた。

 だが澤野は「あのハプニングも楽しいなと思って待っていました」と冷静。自分で作ってきたおにぎりを食べて待っていたという。

「選手の中には、けっこう焦ってイライラしているような姿も見えたけど、それが長引くなら身体を休められるからラッキーだなと思っていました。予選でも機材の故障があったので、中断が長引いたことでそんなに影響はなかったですね。何かすごく落ち着いていて、普通にできました」

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