【箱根駅伝】39年ぶり完全V。ライバルが青学大の独走を許したわけ (4ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi photo by Yuya NAGASE/PHOTO KISHIMOTO

 だが、服部弾馬は、走り出してみると体が重くてまったく動かず、最初の5kmを14分30秒でいくのがやっとの状態だった。当の弾馬は「走りのリズムが良ければ1km2分52~53秒で持っていけるが、いつもとは違う感覚で脚がまったく動かず、頑張っても全然力が入らずドンドン離されてしまった。兄がしっかり区間賞できてくれたから自分も頑張らなければという力みや、20kmという距離に持っている気持ちが心の不安につながったのかもしれない」と、語っている。

「うちが一番青学大に抵抗しなければいけない立場なのに、3区の序盤でレースの主導権が完全に青学大に移ってしまったなと思います。6区の口町も58分台では走れると思ったが、青学大の1年生にあれだけ走られたことで焦ってしまい、59分41秒に終わったのだと思う。彼を平地に下ろせるくらいの戦力がなかったということだし、8区に1年生を置くしかないということ自体、優勝を狙うチームとしては弱いところだとも思う」(酒井監督)

 ライバル校のそんな状況が青学大の独走を許していった。その後の往路は慎重に走った5区の神野大地(4年)が1時間19分17秒で区間2位となったが、3区の秋山雄飛(3年)と4区の田村和希(2年)は2位に大差をつけて区間賞を獲得している。

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