2013.10.11

【陸上】桐生祥秀ら若き男子短距離陣、好材料を残し来シーズンへ

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • pohto by YUTAKA/AFLO SPORT

国体の100mで一昨年、昨年に続き優勝を果たした桐生祥秀 陸上競技のトラックシーズンも終盤になる10月。今年の4月に10秒01を出して一躍注目を集めた桐生祥秀(洛南高)をはじめとする男子短距離勢は、来シーズンへの意欲を高めているところだ。

 10月4日に東京・味の素スタジアムで開催された国体の少年A。8月の世界選手権以来、約1カ月半ぶりのレースだった桐生は、急激に冷え込んだ厳しい条件のなかで、最初の予選を10秒83の予選4組2位通過と周囲を心配させた。

「久しぶりの試合だったから、スタートからの動きが全然できていなかった」と苦笑していた桐生だが、準決勝では10秒42と建て直し、決勝は昨年出した大会記録に0秒01遅れるだけの10秒22と、寒さを考えれば好走といえる結果を残した。

「連覇を狙っていたので優勝できて良かったけど、去年の記録を超えたいという思いもあったから、終わってみると『惜しかったな』という気持ちが出てきましたね」

 こう話す桐生は、8月の世界選手権後からうまく走れなくなった時期があったという。世界選手権のウォーミングアップ会場で見た外国人選手たちの大きな動きが印象に残ってしまい、腿(もも)を上げて大きな動きで走ってみようと考え、感覚が狂ったのだ。

「外国選手とは筋力も違うのにそういう走りをしようとして、力を入れても全然進まないようになったんです。腕ふりと脚の動きのタイミングもバラバラになってしまい、いつもならパンパンパンという音が出る走りが、ドタドタドタという感じになってしまって。自分ではそれが何で悪くなったのかわからなくて悩んだ時もありました」

 顧問の先生に「走りがおかしい」と言われて、いつものようにミニハードルを使ってリズムを重視する練習に戻したのが国体の2週間ほど前。だから国体の目標は「元通りの走りにしよう」というものだった。

 そのため国体ではスタート後から中盤の加速までを意識して走った。決勝はそれができたが、後半以降の意識はまだできていなかったため、若干伸びが足りないような走りになった。それでも10秒22が出たというのは、走りを取り戻した証拠。桐生も安堵の表情を見せていた。