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【箱根駅伝】ポスト柏原も断トツの層の厚さ。東洋大連覇に死角は? (2ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Wataru Ninomiya/PHOTO KISIMOTO

 自信のほどはエントリー発表でも明らかだった。前回10区で区間賞を獲得した主将の斎藤貴志(4年)を、「10月に1万m29分14秒57の自己新を出していて悪くはないのだが、新しいメンバーが練習を継続できていて調子もまあまあだし、箱根のコース攻略に合うような選手を考えて選んだ」と、エントリーメンバーから外したのだ。その結果、駅伝未経験の4年生3名を含め、16名中10名が箱根初エントリーという布陣になった。

 その中でまず課題となるのはやはり5区だ。6区には前回59分16秒で区間賞を獲得した市川孝徳(4年)がおり、「今回は区間記録(58分11秒)を目標にする」と好調だ。酒井監督は「今回は、上りと下りのセットで考えている」とし、5区を1時間21分以内で走れば合格点と考え、定方俊樹(3年)を用意して直前まで複数の候補を競い合わせる予定だという。

 酒井監督は、これまで柏原パワーで4連覇している往路を「過去5連覇した大学はないから是非実現したい」という意欲も持っている。それを実現するためは、前回1時間19分52秒で走っている早大の山本修平や、1時間19分34秒だった明大の大江啓貴が1時間18分で入ると想定すれば、4区までに2分以上の差をつけておかなければならなくなる。1区で出遅れず、なおかつ2区でトップに立つという前回のようなレース展開をしなければいけない。

 重要ポイントとなる2区は、前回区間2位ながら、終盤に2位集団から抜け出して前を行く早大をとらえてトップに立った設楽啓太(3年)だ。今季は1万mで28分15秒90の自己ベストを出して好調をキープ。酒井監督も「前回は多くの期待や注目されるプレッシャーを柏原ひとりが引き受けたので楽に走れたが、今回は注目される立場になっている。それをしっかり乗り越えれば、4年でさらに成長すると思う」と期待をかける。

 その啓太につなぐ1区も複数の選手を想定していたが、「確実に上位で」という思いから、前回4区区間賞、11月の全日本大学駅伝1区区間賞の田口雅也(2年)に任せた。そして有力校が重視する3区は、今年のニューヨークシティハーフで最初の5㎞を14分10秒台で入るなど、最初から突っ込める設楽悠太(3年)の走りが生きる区間だ。もしトップでの兄弟リレーがあれば、一気に後続を突き放すシーンもあり得るだろう。

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