【マラソン】川内優輝にチャンスはあるか。基準別に考える五輪代表の「残り1枠」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之●撮影 photo by Nakamura Hiroyuki

福岡国際で日本人トップの3位だった川内が選出される可能性もわずかだが残されている福岡国際で日本人トップの3位だった川内が選出される可能性もわずかだが残されている 男子マラソンの五輪選考は、東京マラソンの藤原新(東京陸協)に続き、3月4日のびわ湖毎日マラソンで好記録が出てスンナリと決まるかに思われていた。

 しかし、レース直前から降り出した雨と、底冷えさえするような気象条件が、その様相を一変させた。

 外国人勢のペースアップにもついていった本命の堀端宏行(旭化成)は、序盤の力みのツケが出て36km過ぎから失速。38km手前で日本人トップになった中本健太郎(安川電気)も40km手前から追い上げてきた山本亮(佐川急便)にトラックで交わされ、結局、一般参加の山本が2時間08分44秒で日本人トップの4位になる番狂わせとなった。

 昨年の世界選手権10位の中本は2時間08分53秒で5位。失速した堀端は2時間10分05秒でまとめたが11位に沈んだ。

 ロンドン五輪代表の座は3枠。日本陸連は「戦える選手を選ぶ」というが、代表選考はどうなるのか。

 選考条件で最も重視されるのは、『選考会の結果』だ。その点では25kmから外国人勢をひとりで果敢に追い、40km過ぎにはゲブラセラシエ(エチオピア)やキプロティチ(ウガンダ)という実力者を抜き、東京マラソン2位になった藤原が一番手になる。

 2番手はびわ湖の日本人トップ・山本。勝負どころの25kmから消極的な走りだったというマイナス点はあるものの、悪条件下で2時間8分台の日本人トップは評価できる。

 それに続く3番手となると、これまでの五輪選考レースを振り返れば、内容も考慮するとはいいながらも、過去の選考を考えると最終的には『タイム』を優先する傾向が強い。

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