【今日は何の日?】円谷幸吉、自殺

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by Nikkan sports

東京五輪で銅メダルを獲得し、戦後のヒーローとなった円谷幸吉東京五輪で銅メダルを獲得し、戦後のヒーローとなった円谷幸吉【1968年1月9日】
マラソンの国民的英雄が27歳で命を絶った日

 東京五輪・最終日に行なわれた男子マラソンで3位入賞し、銅メダルを獲得した円谷(つぶらや)幸吉は、一躍、日本の英雄として讃えられた。円谷自身も、次なる目標を「メキシコシティ五輪で優勝」と宣言。日本中が『4年後、円谷の金メダルは間違いなし』と確信した。

 しかしその後、円谷は周囲の期待に応えるためにオーバーワークを重ね、持病の腰痛が再発。病状は悪化し、椎間板ヘルニアを発症して手術を受けることになる。さらに婚約者との結婚が、周囲から「次の五輪のほうが大事」と認められず、結果的に破談となってしまう。

 そしてメキシコシティ五輪の開催年となった1968年1月9日、円谷は自室にてカミソリで頚動脈を切って自殺。27歳でその生涯を自ら絶った。残された遺言、「父上様母上様 幸吉は、もうすっかり疲れ切ってしまって走れません。幸吉は父母上様の側で暮しとうございました」の言葉は、世間に大きな衝撃を与えた。

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