東京でメダル獲得を。車いすバスケ女子日本代表の課題が明確になった (2ページ目)

  • 斎藤寿子●取材・文・写真 text&photo by Saito Hisako

 カナダは、92年バルセロナから2000年シドニーと3大会連続でパラリンピック金メダルを獲得したこともある古豪。04年アテネでの銅メダルを最後に、表彰台には上がっていないが、昨年のアメリカ選手権で優勝し、練習試合とはいえオランダを破るなど、急速に力をつけてきている。

 日本は、08年北京を最後に2大会連続でパラリンピック出場を逃し、2018年世界選手権にもアジアオセアニア予選で敗れ、本戦には出場していない。2014年世界選手権以来、"世界一決定戦"のステージに上がることさえできていない日本にとって、イギリスとカナダはまさに格上の相手と言っていい。

 チームとしての経験値に違いはあるものの、今大会、日本は相手に"胸を借りる"つもりだったわけではない。狙っていたのは、善戦ではなく、ただ一つ勝利のみ。岩佐義明HCも「どちらかに勝たないと、東京パラリンピックでのメダルはない」と語っていた。しかし、結果は全敗。本番を半年後に控えたチームにとって、厳しい現実を突き付けられたかたちとなった。

 決して、日本が停滞や後退をしているわけではない。むしろ、いくつもの成長の跡が見てとれた。戦略の"引き出し"は確実に増えている。

 今大会の数日前、日本はイギリスと練習試合を行なっている。お互いに選手も戦略もいろいろとトライした試合で、一概に結果だけで判断することはできない。だが、その試合でイギリスのエース、エイミー・コンロイにペイントエリア内から大量得点を奪われたことは、同じように高さで日本を上回る海外チームに対しても課題となることは明らかだった。

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