東京で初代パラリンピック王者へ。
パラバドミントンのトップクラス選手対談 (2ページ目)
小林幸平(こばやし・こうへい)/1979年、福岡県朝倉市生まれ。WH1クラス。同じパラバドミントン選手の妻・悦子さんとともに東京2020パラリンピック出場を目指している。――バドミントンは駆け引きの競技と言われます。その中で、シングルスは半面コートで行なわれますが、プレーする車いすの選手に求められるものは何ですか?
小倉 私たちは前後の動きが基本になります。障害によって身体を動かせる範囲が人それぞれ違うので、相手の動きをきちんと分析したうえで、相手の届かないところにシャトルを落としたり、逆に体に近いところに打ったり。自分が狙ったところにいかに正確に打つかがポイントになるので、ラケットワークの強化に励んでいます。
小林 僕はWH1という障害の重い方のクラスの中でも、あんまり状態のいいほうではありません。腹筋と背筋を使えないので、そこをカバーするには、自分に残っている残存機能をいかにうまく使うか、強化するかがカギになります。前後の動きの機敏な切り返しは腰回りの力や体幹が必要になりますし、後ろに追い込まれないようなチェアワークを意識しています。「後ろに下がって身体を反って打ち返してからの前への動き」は車いすならではなんですが、小倉さん、すごいですよね。
小倉 いやいや、そうですか? あ、でもたしかに腹筋の筋肉痛はすごいかも......。後ろに飛ばされたシャトルを打ち返そうとした時に、ラケットが床にガンってぶつかったりはしますね(笑)。
小林 それだけ身体を反ってるってことです。
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