チェアスキー森井大輝、
滑降から回転まで「オールラウンダー」の誇り (3ページ目)
ただ、これまでの大会とは違う手ごたえも感じたという。
「ソチの時はこのままでは負けてしまう、でも何をしたらいいかわからない、というような焦りしかなかった。でも今回、たくさんのチャレンジができた充実感は、今までの大会と比べてはるかに高いし、次に進むために何をしなければならないかは明確に見えたので、すごく落ち着いた気持ちで大会を終えることができます」
前回ソチ大会で日本選手団が獲得した計6個のメダルのうち、金メダル3個を含む5個がアルペンスキーの男子座位によるものだった。今大会は雪質の影響もあり、前述の通り、メダルは森井の滑降の銀のみに終わった。
一方で、台頭してきたのは若い世代だ。スーパー大回転は「モリイは憧れの選手」と話す18歳のユロン・カンプシャー(オランダ)が制するなど、世界の勢力図が変わりつつある。
「正直、すごく焦りもあります。ただ、本当に細かな技術的なところを言うと、僕の方がまだ上回っていると思う。勝てない要因もある程度見えてきているので、今回得たデータを活かしながら、マテリアルも肉体も技術も、一から磨き上げて、次のパラリンピックに挑みたいですね」と、日本の37歳は前を向く。
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