金メダル43個。メダル総数98個。アジアユースパラの日本が凄い! (3ページ目)

  • 瀬長あすか●取材・文 text by Senaga Asuka
  • X-1●写真 photo by X-1

 ゴールボールは女子がロンドンパラリンピックで金メダルを獲得している一方、男子はまだ一度もパラリンピックの大舞台に立ったことがない。自国開催を控えるなかでユース世代がメダルを獲り、2020年に向けて強化の励みにしたい思いもあっただろう。

 光明が差したのは初戦だった。8カ国が出場するゴールボール男子は2つのグループに分かれた予選で、日本はイラクと対戦。開始早々、ライトウィングの佐野が得点したことでチームは波に乗り、15-8で何としても欲しかった初戦をものにした。

「体の大きい海外勢と戦っている雰囲気を感じ、すごく緊張しましたが、ひとつひとつのボールに集中し、チームみんなで大事な1点を取ることができました。うれしい気持ちでいっぱい」と、佐野は満面の笑顔で語った。

 工藤力也ヘッドコーチもこう評価する。

「相手のスピードボールに対し、日本は体で止めるのではなく弾いてしまう場面がいくつかあったが、佐野がよくカバーしていた。これぞ他にはない日本独自の3人ディフェンス。守りから流れをつくれたのがあの得点につながったし、佐野が期待に応えてくれました」

 だが、強豪イラン、中国と同組だった日本は、その後2連敗し予選敗退。強豪国との差をつき突けられたものの、大会を乗り切る体力の必要性や日本代表を背負う重圧を経験したことは必ずや今後につながる。

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