平昌に出られるのか。パラアイスホッケー日本代表の運命をかけた戦い (3ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文・写真 text&photo by Araki Miharu

 そんな日本代表が8月、久しぶりの国際試合に挑んだ。現在世界ランキング3位の韓国代表との親善試合で、平昌パラリンピックのパラアイスホッケー会場である江陵(カンヌン)ホッケーセンターで3日間にわたって行なわれた。日本代表にとっては、現在の実力を測り、課題を洗い出す絶好の機会。選手17人でさまざまなセットを組み、練習の成果を確かめるとともに、世界3位に通用する動きの可能性を探った。

 だが、初日から躓(つまず)いた。日本は試合開始早々に失点すると、ブレイクアウト(攻め出し)やディフェンディングゾーンカバリッジ(自陣ゴールのあるエリアの守りのシステム)が徹底できずにリズムを失い、0-3と完敗。「パスの判断が甘く、選択がすべて逆。今までやってきたことのほとんどができていない」と信田コーチからは厳しい言葉が出た。

「まだこのレベルなのか!?」と信田コーチに喝を入れられた選手たちは、試合のビデオミーティングで動きを再確認。気合いを入れて臨んだ2日目の試合では、序盤から落ち着いてポジションを取り、ゲームメークをした。しかし、第1ピリオド終了3分半前に、パワープレーのチャンスながら数的不利の相手にまさかのゴールを決められてしまう。第2ピリオドには日本ゴール前のフェイスオフから追加点を入れられ、第3ピリオドにはパワープレーのチャンスから吉川守のゴールで1点差に追い上げたものの、試合時間残り23秒で韓国にシュートのリバウンドを決められ、1-3で再び敗れた。

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