平昌に出られるのか。
パラアイスホッケー日本代表の運命をかけた戦い

  • 荒木美晴●取材・文・写真 text&photo by Araki Miharu

 冬季パラリンピックの人気競技・パラアイスホッケー)。来年の平昌大会の出場枠は「8」で、今年4月の世界選手権で上位に入った、カナダ、アメリカ、韓国、ノルウェー、イタリアの5チームがすでに出場権を獲得している。残り「3」枠は、今年10月の最終予選(スウェーデン)で決まる。日本はこの最終予選に出場し、強豪のスウェーデン、ドイツ、チェコ、スロバキアと「運命」をかけた戦いに挑む。
※アイススレッジホッケーから名称変更

ベテランであり、キャプテンとしてチームを牽引する須藤悟ベテランであり、キャプテンとしてチームを牽引する須藤悟 運命をかけた戦い――。これはあながち大げさな表現ではない。2010年バンクーバーパラリンピックで銀メダルを獲得した日本代表は、ソチ大会の最終予選では敗れ、長野大会から続くパラリンピック連続出場を逃した。世界のトップグループから外れたことで、それ以降、海外勢と交流する機会が減り、試合勘を養う手立てを失った。2015年の世界選手権では最下位の8位に沈み、2度目のBプール(2部に相当)降格を経験。昨季、そのBプール世界選手権で2位になり、Aプール再昇格を決めたものの、実戦不足は解消できていない。また、世代交代や新人発掘も思うようには進まず、いまだ長いトンネルから抜け切れずにいる。

 その間に日本を置き去りにするかのように、かつてのライバルだったカナダやアメリカなど、トップチームの競技力は数段上にレベルアップした。いかに世界との差を詰めることが難しいかを、今、日本代表は嫌というほど体感しているところだ。

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