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レディースチャンピオンでGⅠ初優勝を期す守屋美穂 ペナルティ期間に勉強し、好調の要因になっているものとは (2ページ目)

  • 杉田純●取材・文 text by Sugita Jun

【涙の逆転優勝】

 初めて頂点をつかんだのは、デビューから11年後の2018年。レディースチャレンジカップで優勝戦1号艇となり、イン逃げで自身初のグレード戦制覇を飾った。

 守屋は当時のことをこう述回する。

「素直にうれしかったですね。(同時開催される)男子のSGのチャレンジカップの脇役みたいな感じだったので、そこまで緊張はしなかったのかな。シリーズを通して主役じゃないのが逆によかったんだと思います」

 その翌年には男女混合で行なわれたGⅡ「モーターボート大賞」で優勝。男子のA級レーサーを相手に予選で3勝を挙げ、優勝戦1号艇をつかんだうえでの王道Vだった。

 その後はしばらく栄冠から遠ざかるが、2022年に大きなインパクトを残した。GⅡ「レディースオールスター」で初制覇を飾ったのだ。

 レディースオールスターはファン投票で出場メンバーが決まる。この年、守屋は投票数1位で出陣した。しかし、1号艇で臨んだ初日のドリーム戦ではまさかの2着。その後に巻き返して優勝戦には進んだ。優勝戦は4号艇。最も勝利に近い1号艇にはシリーズで7戦6勝と圧巻の強さを誇った田口節子がいた。しかも、優勝戦の日は7メートルの追い風が吹き荒れ、コンディションも悪かった。

 不利な状況のなか、守屋はトップスタートに成功。最初のターンマークで田口をまくり、涙の逆転優勝を決めた。

「情けないレースばかりだったので、やっと結果が出せてすごくうれしかったですね。投票で選んでいただいていたので、やっと結果で恩返しできたなって気持ちでいっぱいでした」

 このように、守屋は随所で力を見せつけてきた。だが、肝心なGⅠには手が届かない。クイーンズクライマックスに関しては2018年から2023年まで6年連続で優勝戦に進出しているが、あと1勝が遠かった。

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